獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200503-157

マルチレス
投稿日 2005年3月20日(日)15時28分 投稿者 プロキオン

3月19日の りぴぴさんへ
犬の妊娠期間はおよそ2ヶ月です。年末に最初の発情があって3月18
日に雄犬が上に乗っていたということですね。
今回は、事前に発情出血を確認していますでしょうか? また、乗って
いただけで、交尾に至っているのでしょうか?
犬の交尾は、短時間で済むものではなく、結構な時間がかかります。単
にマウンティングということであれば、妊娠とは無関係でしょうが、確
実に交尾していたのであれば、雌が雄を許容する時期であったのであれ
ば、妊娠したかもしれません。

 # 雌犬も発情期間中、常に雄を受け入れるわけではなく、前段階で
   は雄の交尾を拒否します。

3月19日の おねねさん
歯茎の腫れということですが、歯肉には特有のエプーリスとかエプリヌ
スとか呼称されている線維性の腫瘤が形成されることがあります。もと
もとの由来する組織によってさまざなに分類されるようですが、慢性的
な炎症が下地にあることも多いそうです。犬においては、しばしば遭遇
するようです。
また、これとは別に口腔に発生する腫瘍の中には悪性度の高いものもあ
りますので、できれば、一度診察を受けた方がよろしいと思います。
受診して、相手が何であるかを確認してから、どうするかを検討された
方が、後々のためにはよろしいように考えます。


3月19日の はなさん & ママさんへ
すでに、Big1先生からのレスがありますが。
血尿に至るフィラリア症であれば、私も手術が最も望ましい選択肢だと
考えます。

この手術の生存率が低い云々についてですが、手術手技が難しいという
ことではありません。血尿の排泄至るまでの間に肝臓や腎臓の方までも
が、侵襲を受けてしまっていて、多臓器不全になってしまっているから
に他なりません。
それ故、大方のフィラリアの虫体の除去はできても(手術自体は成功し
ても)、回復不能ということはあるのです。
従いまして、かかる「大静脈症候群」と呼ばれる状態に落ちるよりも以
前に手術を受けていれば、生存率はそれだけ高くなります。
また、さらに前(フィラリアの感染数が少ない時期)であれば、手術の
適応も必要なく、殺フィラリア剤の注射でかたづくことになります。

処置が早ければ早い程、犬自身の負担も飼い主さんの経済的負担も軽く
て済むことになります。この点を伝えておきたかったわけです。


3月19日の きなこポッキーさんへ
9歳の雄のシーズーのお尻の周辺で腫れがあるということですが、その
腫れというのが、小さく突出している形態であれば、「肛門周囲腺腫」
が疑われるかも知れませんんが、どうも全体的にボワッと腫れているの
であれば、「会陰ヘルニア」の方かもしれませんね。
掲載されている記述には、「肛門の左右が腫れている」というような箇
所がありますが、両サイドが腫れているのであれば、ヘルニアとすれば
ちょっと重篤のように思います。
ヘルニアではなく、その部分の筋肉が弛緩しているだけということもあ
るかもしれません。 
いずれにせよ、実際に診察して確認するのが一番だと思います。


3月20日の ostaraさん
アンダーショットにしろ、オーバーショットにしろ、外科的な矯正はあ
まり選択されないのが現状のように思います。
単に顎の長さの調整というだけでなく、「噛み合わせ」の問題があり、
さらに顎の骨の癒合が完了するまでの期間の栄養の補給というか、食事
の摂取をどうするかという問題もあります。
人間であれば、本人が充分に事情を承知しておりますので、難はありま
せんが、犬の場合はそのあたりの事情を斟酌してはくれません。
このため、今の現状で支障が生じていないのであれば、飼い主さんも、
獣医師も積極的な選択ということにはなりにくいように考えます。
むろん、事故のようなケースで顎の骨を骨折した場合では、それを整復
することは実施されますので、下顎骨であれば、不可能なことでもない
ように思います。
上顎骨ということになると、さらにいろいろな組織がかかわってきます
のでなお一層簡単な話ではなく、矯正という概念からのメスは加えにく
いように思います。

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