獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200503-17

re:アレルギー対策
投稿日 2005年3月3日(木)00時32分 投稿者 はたの

気にしないの一番ですね。

 私自身、ひどいアレルギー持ちです。パッチテストをやると強い反応が出ないもののほうが少なく、途中で医師からやめようといわれました。ひとつふたつならともかく軒並みじゃ除去のしようがありませんから。むろんイヌ毛ネコ毛も出ます。
 加齢に伴い、またアレルギーマーチで症状は移り変ってきましたが、皮膚症状がひどい時は、かかりつけのアレルギー専門認定医が見た最悪の3人に入っていたとか。一晩寝るとシーツが板状になるぐらいでした。
 喘息もあります。救急車呼ぶべきかひやひやしながら病院にいって、息も絶え絶えで点滴してもらったこともあります。横になれず壁にもたれて過ごした夜もあります。
 指先に水泡が出来てキーボードがてかてかになったりもあります。

 ことに呼吸器症状ですと死の可能性もあります。視野の狭い医師なら近づけないことを勧めるでしょう。
 ですが、最終的にリスクを取るのは本人です。
 リスク排除を言い出したらキリがありません。何もできません。
 何かを行うというのは、リスクと引き換えに人生における楽しみや幸せを得ることです。いざ死ぬ間際になって、やりたかったことがあれもできなかった、これもできなかったと後悔する人生は「良い」ものでしょうか? リスクがない人生における楽しみなんてありゃしません。
 アレルギー持ちだと、イヌと暮らすにあたって、リスクは幾分か大きいでしょう。しかしそのリスクの大きさとイヌがいる暮らしの幸せとの比較は本人にしかできません。身内であっても他人が口を出すことではありますまい。その人の人生を替わって生きること、替わりに死ぬことは誰にもできませんから。
 雪山で死ぬ人もあるし、バイクで死ぬ人もあります。本人の選択でしょう。誰もがいずれは死ぬわけで、別にいいではありませんか。
 私はイヌも飼ってますしネコも飼ってますし、+++だった革製品を排除するどころか革細工もやります。ハウスダストもひどく出ますが、本と本が呼ぶ埃にまみれる生活を辞めるつもりはありません。ことさらに愛を感じない羽毛布団はやめましたけれど、鳥は飼っています。
 
 アレルギーは病というより体質であり、個性というべきものです。いちいち気にしていたらおっかなびっくりの人生しか歩めません。引き受けていくしかないのですよ。
 幸い、ステロイドなどに無意味な偏見がなければ、症状をある程度コントロールすることが出来ます。イヌがいない場合より強く使う必要があるかもしれず、そのぶん(知られていないもの含めて)副作用が強くでるかもしれません。しかしそれで寿命が短くなろうともしゃーない、と思います。イヌがいなけりゃなんの人生か、と思いますので。
 健康であるために生きるのは本末転倒でしょう。

 さて、小児アレルギーが直らない最大の原因のひとつが、親の過保護にあるとのこと。「あなたはアレルギーなんだから何々しなさい、何々しちゃダメ」という配慮がいけない、重症時に入院させ大きな理由のひとつが、親の干渉から切り離して、本人が気にしすぎない時間的ゆとりを与えることだ、と。
 24歳は小児ではありませんが、年配の身内の心配が良くないことは同様ではないでしょうか?
 アレルギーだから犬種を選ぶ、何かの工夫をする、も同じこと。周りが口を出せば出すほど、考えれば考えるほど、工夫すればするほど、精神面ではドツボにはまるでしょう。さまざまな要因が統制されている実験と実生活は違います。アレルゲンへの曝露量を減らすことと、そのためにアレルギーを意識することとのどちらが重いかは一概には言えません。本人がそこそこのバランス点を見つければよいように思います。他人が評価できることではないのですから。

 姪御さんの人生でしょう。叔母君が賛成するとか反対するとかいうのがそもそも無用のことと思います。

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