獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200504-46

小鳥だけでなく、他の動物も
投稿日 2005年4月6日(水)12時16分 投稿者 プロキオン

鳥飼いさんの一連の投稿に続く話になりますが、人間が動物を飼育する
こと自体がエゴであるというのは事実であると私も思います。

自らの好きな対象(人間でも、動物でも、鳥でも)を身近に置きたい、
支配下に置きたい、独占したいというのは、やはり愛情と言えると思い
ます。
品物であれば、趣味やホビーとして集められるだけ集めるということも
認められることです。
対象が生き物であった場合には、その接し方というのが、第三者の目か
ら見て、どのように写るかが出て来ます。自然の中から切り離されて人
間の元にやってきた生命であれば、その分を飼い主である人間が、思い
遣って快適性や健康に注意を払う必要があることは論を待ちません。
その方法と度合いが、思い込みや一人合点でないようにということなの
でしょう。
愛情のバランスとでも言えばよいのでしょうか? そのバランス感覚の
必要性については、はたのさんに先を越されてしまいましたね。

昨日の私の投稿にも「換気」が「喚起」だったり、「錦華鳥」が「錦花
鳥」だったりの誤字がありました。
この「錦華鳥」については、私の宝物でした。とくに雄の方です。彼は
「錦華鳥」には珍しく、仮母を必要としない鳥で、抱卵を嫌って巣の外
へ出ようとする雌を叱咤激励して卵を孵化させて、その雛を育てるとい
う鳥でした。
偶然手に入ったこの鳥を私はとても貴重に思い、「宝物」と考えていま
した。しかし、この宝物は、他所の家の猫に襲われて、片足を失い、お
腹に穴があくという傷を負ってしまいました。
まだ、私が医療技術をもっていない頃のことで、裁縫用の糸と針で、お
腹の穴を塞ぎ、無くした足の周囲に縫い付けました。抗生物質も投薬し
てあげることができませんでしたが、彼は元気になりました。
けれども、片足になってしまったために、その後はうまく交尾ができず
に、彼の子供を得ることはできなくなってしまいましたので、元の意味
での宝物としての価値はなくなってしまいました。
それでも私が救った命です。別の意味での宝物になったことになります。
(閑話休題)


自分が好きになった相手であれば、自分の想いが一方的であったり、押
し付けすぎにならないように配慮する思い遣りの心も また必要と言え
ます。
それが、口をきくことができない動物が相手であれば、なおのこととい
うことになります。

私も子供頃から多くの野鳥を飼育しました。名目上は保護なのですが、
その多くの命を失わせるに至っています。
私が野生動物や野鳥の飼育に反対するその多くは、その時の自責の念が
あるからに他なりませんが、それでも、野鳥の飼育、とくに和鳥の飼育
技術のノウハウが途絶えてしまうのは、じつにもったいないことと考え
ています。
今、私が野鳥を飼育しようと考えているわけではないのですが、人間と
はつくづく身勝手だと我ながらにして思います。


私の投稿は、診療の合間をみて書いていますので、しばしば中断となり
ます。途中で一貫性のない話になってしまうのは、このためなのですが
その辺の事情は御容赦ください。


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