獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200507-114

えむさんへ
投稿日 2005年7月10日(日)15時10分 投稿者 sutemaru

お返事遅くてごめんなさい。どの様に書こうか悩んでおりましたので。
これはとても奥の深い問題で、沢山の方が悩まれている事でもあると思います。単純にえむさんに対してのみの答えですまない所もあるので少しづつ分けて考えていきますね。
まず、言葉の難しさですが、上皮と皮屑(ひくず)との問題ですが、動物では良く犬毛、猫毛で検査名がありますが、上皮は毛と考えて、皮屑を垢、フケのようなものと考えてよいかなと思います。
検査で使用する犬上皮は犬皮膚組織、犬皮屑は犬のフケを使っていて、動物特異性は犬のフケを原料としている方が陽性が高く出ているようです。
ペットから人間に出る影響のアレルゲンは体毛、皮屑、唾液、尿の四つがあるようで、やはり触らなくても影響が出る体毛と皮屑を主に考えて良いと思います。
えむさん自身が同犬種でもアレルギーの出方が違うとの事ですが、それは犬に限らず、全ての毛や羽のある動物でもそうだと思うのですが、毛よりその子の身体の質が影響しているのではないかと思います。人間でも脂性や乾燥肌などありますものね。
犬が犬毛に反応を起こすのは自分の毛というより他犬の毛という事が種だと思います。特殊体質で自分の毛に反応を起こす犬がいないとは限りませんが、犬毛というのは他の犬と考えて良いと思います。
犬でも犬毛に反応出るような子は、散歩している環境の木や草、猫等にも出てくる子もいますから単純には考えられませんね。
また、アレルギーというのは簡単に言うと免疫の病気のようなものと考えると良いかも知れません。免疫というのは「外から色々な形で体内に入り込んだ異物を排除しようとする働き」を言います。
本来身体を守る大事な働きですが、程度を越してしまうと敏感になり過ぎたりして、本来無害なものでも(例えば花粉など)異常に反応してしまう。ものすごく簡単に言うとこういうことかと思います。
えむさんの今のところ犬に対して実際に出てくるアレルギー反応が皮膚に出るのか、呼吸に出るのか等判りませんが、かなりの反応が出ている人間は犬毛や皮屑だけが原因ではなく、周りの環境もプラスされてきますから埃、ダニ、犬猫のクシャミなども単独の検査以上に加わってきて、大きな反応を表わすことになるのではないかと心配です。何時もアレルギーの方にはきつい言葉になるようで辛いのですが、まず減感作なども試してみて、御自分の身体の反応を少なくしてからの方が良いのではとお話します。
犬をシャンプーする事により防げるかというと、それも色々問題が出てきます。ブラッシングにしてもそうですが、外犬ならともかく室内犬は一年中抜けやすくなっていたりしますし、犬種にもよりトイプードルは良いかもしれませんが、来た子の体質がどの様になっていくか等わかりかねますし。
飼ってから喘息等出てしまった人を知っていますが、その中の数人は私が貰って頂いた方でしたので、本当に申し訳なく思い、他の飼い主さんを探したり、手放せないと我慢されている方など色々あり、考えさせられております。そういうことも全てクリアーして考えを進められると良いかと思います。
アレルギーはまだまだわからないことも多いですから単純に書けませんが、ご質問がありましたらまた書き込んで下さいね。

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