獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200507-65

噛み付き事故
投稿日 2005年7月6日(水)09時33分 投稿者 山崎

臨床獣医師の一人として言わせてください。
この問題は2つに分けて考えるべきです。 今回の事故については多くの方が言っているように弁護士等をいれて当事者間で解決すべきことです。 誰も現場を目撃したわけではないし、当事者の一方の言い分だけではなんともいえないでしょう。
 一般論としての保定時における責任論ですが、メールの流れをみれば一部の方が、「診療時の保定にかかわる責任は獣医師に全てある。」と取られかねない安易な(私はそう考えます。)発言をしたことに対して、他方、「そうではあるまい。」と反論なさる先生方とのやりとりに一般の方が入り込んできた、というものと見ます。
 私も、後者に組するものですが、これは「程度」問題であり、「全か、無か?」ではないでしょう。 自分のペットの保定は飼い主なら出来て当然。 飼い主の安全と疾病時のペットの治療可能範囲拡大のためにも飼い主たるもの日々そのようにしておくべきでしょう。 心配なのは、このようなやり取りを見て、一部の飼い主が自分に都合よく考え保定の努力を怠ることです。 全ての動物病院が従業員を抱えているわけではありません。 ドクター一人の病院だって日本中にはたくさんあります。 また、狂犬病の集合注射会場では基本的には飼い主さんに抑えてもらうものではないですか?(少なくとも、私の地域ではそうです。) 保定がしてもらえなければ、多くの不都合が発生します。 飼い主さんに保定の重要性を説明し努力していただいてきた為、我々の地域ではトラブルはかなり減りましたが、それでも問題犬・問題飼い主さんはまだ残っています。 こういう書き込みを真に受けて、都合よく考える方が増えてくると困るのです。
「保定檻」は飼い主さんがそれに期待して、自ら努力しなくなる傾向がつよいのと愛護の観点から、当地域では十数年前から使用を中止しています。 「吹き矢」は一般小動物臨床医は使用したことなどないでしょう。 野生動物や脱走犬の捕獲の仕事に携わっている方にはありきたりなものなのかもしれませんが。 我々は、獣医師です。 「訓練師」でもなければ、他の先生が仰せの通り「猛獣使い」でもありません。 「プロなら、プライドを持ちたいのなら、習っていないことでも泣き言を言うな。」は論外。 プロだからこそ分らないこと出来ないことは、出来ないというべきでしょう。
普段から身近にいるものが、抑えるのは基本中の基本。

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