獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200508-271

>やっぴーさん
投稿日 2005年8月28日(日)11時15分 投稿者 プロキオン

>あともう一つ、お聞きしたいのは、母体が健康なら10月ごろ交配を考
 えていたのですが、このままの状態で母体へのリスクや、生まれてく
 る子猫へのリスクは生じるのでしょうか?


正常か、異常かという捉え方であれば、すでに何ヶ月か発情が継続して
いる状態なのですから、正常な状態ではありません。むしろ、異常な状
態と言えるでしょう。
ですが、それが、すなわち病的な状態かというと、今の段階では分かり
ません。

発情の継続によって、乳腺がエストロジェンの支配下にあることは先の
レスで述べております。これによって乳腺腫の発生する確率は高くなる
ことは想定できますが、では、どのくらいの確率というと誰にも予想で
きません。
また、骨髄への抑制作用について、貧血の発生頻度というのも予想でき
ません。
分母を相当に大きくとった場合には、あきらかに有為な現象として想定
できることであっても、たまたま選んだ1頭において、確実に現れるか
までは、保証の範囲外と考えられます。

しかし、獣医師であれば、やはり当該猫の健康にとって良いことではな
いので、当然、それなりの対応を進言するはずです。


10月に交配を考えている記載されておられますが、そうすると半年以
上もの期間を発情を継続させておくというお考えなのでしょうか?
私は、先のレスでホルモン剤による発情の中断に言及しているつもりな
のですが…。
そして、さらに言うなら、主治医の先生が勧められた避妊手術の方こそ
が根本的な解決のはずです。

「生まれてくる子猫のリスク」は、私はまったく考えていません。この
まったく考えていないという意味を履き違えない欲しいのですが、今、
問題になっているのは、発情の継続しっぱなしの猫の健康についてなの
です。
この世に存在していない猫の健康の心配よりは、今生きている猫の方が
大切であるし、優先して考えるべきであろうということです。

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