獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200512-78

re:代理ですがおしえてください
投稿日 2005年12月15日(木)16時57分 投稿者 プロキオン

すでに、けりーずはうす先生よりレスがついておりますが、ちょっと補足したいことが
あります。
どういうことかというと、成虫である親のフィラリアを殺す薬と赤ちゃんフィラリアで
あるミクロフィラリアを殺す薬は同一ではなく、別の薬を使用することになるというこ
とです。親のフィラリアを駆虫して、肺動脈栓塞の危険な時期を過ぎても、ミクロフィ
ラリアによる抹消動脈、毛細血管の栓塞の可能性は残されているということです。

このミクロフィラリアの駆虫剤というのもあるのですが、予防薬と称している薬でも、
製品によって、その効果に差異はありますが、やはり駆虫に使用できる場合があるので
す。
主治医の先生が、予防薬を半分にしてというのは、このような意味からではないかと推
測しています。そのままの薬用量で投与してしまうと、事故につながりかねないので、
薬用量を減じて投与するということなのではないでしょうか?

私の病院で、私が選択している製品であれば、半分とはいわず、20分の1もしくは、
10分の1からの薬用量で服用を開始して、徐々に薬用量を増加させて、1ヶ月半くら
いの期間をかけて正規の薬用量を服用できるようにしています。
私の使用している薬品は、ミクロフィラリアの殺滅効果が高いとされている製品ですの
で、できうる限り安全にそれこそ低い薬用量から始めていますが、殺滅効果が弱いとさ
れている製品であれば、もっと大きい量からスタートするというのも、逆に何回か繰り
返して服用するというケースもあるでしょう。
また、別の先生であれば、ステロイド剤を併用して、正規の薬用量からスターとすると
いう手法もあるでしょう。

つまり、成虫の駆虫が終わったから、すべて片付いたということではなく、まだミクロ
フィラリアが残っているし、その処置については、獣医師によって異なった処置法が選
択される可能性があるということになります。
そのような薬をさまざまに用意してあれば、患者である犬の年齢や健康状態、フィラリ
ア成虫がどのくらい寄生していたのか、そしてミクロフィラリアがどのくらい残されて
いるのかを勘案して、薬品や投薬量とその間隔を選択していくということになるはずで
す。
特段、不思議な話とも思いませんし、ありえる話だと思います。

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