獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200601-248

reなおなおさん
投稿日 2006年1月27日(金)21時34分 投稿者 はたの

私でしたら、けりーずはうすさんとは逆のアプローチをとります。

 「まだ親から離すべきでない時」なのに、無理に寂しい思いをさせれば、それこそ後々響きます。甘やかすべき時期には十分に甘やかしてこそ、おとなになった時に丸い性格になるのです。
 イヌでもネコでもヒトでも、こどもが勇気を出して「冒険」していって、怖くなると母親に甘えに戻りますね。言い換えると、「甘えさせてくれる母親がある」からこそ、冒険しに行く勇気が生まれます。甘えることができなければ、壊れてしまうのです。
 もう少し長期的に見ても同じことです。幼いころに十分に甘えることができればこそ、独立心が芽生えます。
 過度に早期に突き放すのは虐待にもなりかねません。有名なハーロウのアカゲザルの実験、というのがあります。ミルクが出る針金の模型母ザルと、ミルクが出ない布製の模型母ザルとでは、後者が好まれ、前者しか与えられなかった子ザルは正常な成長ができなかったのです。
 24時間の身体的なべたべたが必要な時期、というのがあるのです。

 布団へ連れ込むのが最善です。大丈夫、小さい内に甘やかしておけば、成犬になってもずっとぺったりにはなりません。イヌ本来の習性は、群の仲間と同じ空間にはいたい、けれどもべったり抱き合って眠るのは窮屈、ですから、布団の足下でお尻をヒトにちょっと触れさせて眠るか、寝室の片隅で満足するようになります。
 ただ、子犬にとっての「寝床」の範囲は狭いので、布団全体を「寝床」として認識しないことがあり、かつ、布団は吸収がよいすばらしいトイレにもなるので、排尿することはあります(これも成犬になって「寝床」として認識する範囲が広がれば解消されるので「くせになる」心配は要りません)。
 であれば、ヒトが毛布をかぶって床でイヌと一緒に寝ればいいのです。サークルの中でとか、狭いのなら上半身つっこんで、とか。寝返りをうった表紙にイヌのトイレの上に転がることもありますが、排泄する前に気づかなかったのが悪いのですからあきらめましょう。毛布なら洗濯も簡単です。

 繰り返します。小さいときに甘やかせばしっかりした成犬になります。小さいときにネグネクト的な扱いをすると、いつまでたっても不安間が抜けないため、成犬になっても甘ったれて困ることになります。
 いくら甘やかしても、というか、ちゃんと甘やかせば、成長に伴って独立心は自然に出てきます。

 なお、けりーずはうすさんが言及しておられる「犬の性格は生後6ヶ月で決まる」という本はおそらく存在しません。あるのは「犬のしつけは6ヶ月で決まる」です。未読ですから内容については言及しませんが、書名ほど簡単な話ではない、ということも申し添えておきます。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。