獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200603-273

レス、2題
投稿日 2006年3月30日(木)11時31分 投稿者 プロキオン

3月29日の あこさんへ
フェレットの下半身麻痺について、脊髄損傷を示唆されているのですね。フェレットの
場合は、貧血も伴っているのであれば、一般的には内科の方で遭遇する疾患の方が発生
頻度は高いように思いますが、これは、まあ、個人的に感じた印象ということに納めて
おいてください。
フェレットにおける輸血というのは、私も実施している病院を知りません。一般的な選
択肢とはなっていないと思います。また、増血剤の適応という報告もあまり眼にする機
会がありません。これらに対する反応が期待されるほどではないということなのかもし
れません。
ただ、支持療法は実施するべきでしょうし、貧血の原因も特定されたほうがよろしいで
しょう。


3月29日の うっかちやまさんへ
気管チューブを抜いた後のトラブルというのは、どういうことを指しておっしゃられて
いますでしょうか? 具体的な説明を主治医の先生からお聞きしてませんか?

と言いますか、対象がフレンチブルであれば、私の理解であれば、麻酔時における気管
の狭窄や舌根沈下等です。これらが発生しゃすいから、気管チューブを入れて気道を確
保して安全を図る必要があるということになります。
当然、自発呼吸や咽喉頭反射の有無を確認して安全となったところで、抜くわけです。
チューブやカフによる気管の圧迫のようなことであれば、チューブのサイズの検討とい
うことになるのではないかと思います。
一般的には、挿管がしにくく、咽喉頭を傷つけやすいということの方が獣医師にかかる
プレッシャーとしては大きいように感じています。咽喉頭を傷つけた場合の方が、事後
に残る問題も大きいのではないかな?
リスクはどのくらいと言われても、私はフレンチブルの診療をしたことがありませんの
で、この犬種におけるデーターは、救命率も含めて存じません。と言いますか、ことさ
ら、この犬種であるからという考え方をしていませんし、麻酔事故が起きたことがない
病院であれば、救命率0%となってしまいますし、1件発生して死亡していなければ、
100%の救命率になってしまいます。
そんな極端な例を尋ねているのでないことは百も承知なのですが、「事故」や「リスク
」というものを、内容やどのレベルのものとして具体的な話をしないと、数字なんてい
くらでもつくれちゃうじゃあないかな。
全身麻酔が嫌なら、馬とか豚のように麻酔なしでの去勢にチャレンジしてみますか?
犬だとちょっとお勧めしかねますけどね。
実際には犬の「帝王切開手術」でも局所麻酔で実施可能ですよ。

私が個人的に考えるに、うっかりやまさんが主治医の先生に気管チューブを抜いた後の
トラブルというのを直接確認すれば、済むことのように思います。
具体的に何を想定していて、それに対して対応できないとするのであれば、対応できる
病院へ行けばよいだけのことであって、考え込まなくてはならないことでもないと思う
のです。
設備・スタッフ・技量等の点から、私のところでは引き受けることはできないというの
は、適切な判断であろうし、むしろ望ましいことと受け取るべきでしょう。
ただ、そういう事が、日本中の病院でフレンチブルの去勢ができないということにはな
りません。動物病院を渡り歩くことが良いこととは、私も考えていませんが、単純な事
をなぜ立ち止まって考えてしまうのかの感があります。
「何が問題なのか」を主治医の先生と話をして詰めるというか、明らかにしなければ、
堂々めぐりにしかなりません。ネットで別の誰かに尋ねても同じ場所で足踏みしている
ことにしかならないように思うのです。

ちょっと踏み込みすぎて、気に触る発言になってしまったら済みません。犬BBSの方
も時々覗いているので、私の気持ちの中で「どうして…」という部分で気になってしま
ったものですから。

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