獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200604-105

ケタミン麻薬指定問題について...
投稿日 2006年4月13日(木)19時12分 投稿者 V

一般飼い主さんへ...
これからどこかしこの動物病院でも麻薬を取り扱うように
なるかもしれないということご了承ください(私がご了承願うのもへんですが)。

獣医師の先生方へ...
自分は大丈夫、ちゃんとする...それはそれでいいと思うのですが、
でももし万が一、アホなことをする獣医師が現れたら...
世間一般から、獣医は・・・といわれてしまうかもしれないことは
お覚悟ください。ただ 自分にはまだそういう覚悟ができてないので
なんとか獣医師がらみの麻薬事件が起きないことを願いいろいろしています。
そこで、なんとか業界としての自主規制・自主監視?・・なんでもいいです、
なにかしらの対策をお願いします...さて 誰にお願いすればいいのやら。
私はもしかしたら、テレビの観過ぎ・新聞の読み過ぎなのかもしれません。
国家資格をもつものは悪いことはしない...たいへん尊い信心だと思います。

なお 厚労省へはパブリックコメント募集期間中そしてそれが過ぎたあとも
連日のようにここで述べたようなこと...ケタミンが麻薬となったあとに
起こりうる状況そしてその危険性・弊害について伝えてきました。
そしていろいろ質問もしてきました...当然のごとく無回答でしたが。
結局、これはあくまでも私の感想ですが、
厚労省は動物医療のこと・自国の動物医療現場の状況など
ぜんぜん考えていない、ただ国際的な面目のためにケタミンを麻薬指定したと
思います(あくまでも私の個人的な邪推です。まあ、動物医療は農水省の管轄で、
厚労省としてははじめから関係ないと思っているのかもしれませんが)。

厚労省のパブリックコメントへの回答を下記に転載しておきます。
一読...もっともらしいですが、よ〜く読むと結構???と思うところがあります。
そのひとつは、麻薬以外の規制を考えるべきではないか?という問いに
答えていないように思います。前にも述べたようにケタミンの濫用はいまでもそれを
取り締まる法律があり、それを強化することでもその目的は達せられると思います。
(ほんとほかにもいろいろおかしなところがあると思います。)

(ご意見1)
動物に対しケタミンを使用しているが、麻薬に指定されると
これまでのように使用できなくなる。
いきなり麻薬とは過剰な対応であるので、麻薬以外の規制を考えるべきではないか。

(回答)
ケタミンは世界的に乱用されている薬物のひとつであり、
米国や中国においてはすでに麻薬として規制されております。我が国においても、
その使用が強く疑われる死亡事例が発生しており、また、
中毒症例が関係学会でも報告されています。
このような現状にかんがみると、健康被害を食い止めるためにも
麻薬に指定して規制するべきと考えます。
また、ケタミンの乱用は東南アジア、特にタイ、中国、香港等
日本に近い国々で問題となっております。
韓国では、動物用のケタミン注射剤を粉末状に加工して密売していた事件も
発生しております。さらに、
東南アジアの国々の当局はケタミンについて、
麻薬を規制する国際条約(麻薬単一条約)の規制対象(麻薬)とすべく、
国際機関に提案する動きを見せており、
WHOもケタミンの麻薬指定を勧告することを検討しています。
このように国際的にケタミンを麻薬として規制する予定であり、我が国でも、
ケタミンの乱用が拡大する前に対策を講じることが必要であると考えます。
ケタミンを麻薬として規制した場合でも、医師、歯科医師、獣医師であれば
「麻薬施用者」の免許が取得でき、
これまでどおりケタミンを使用することができます。ただし、麻薬施用者には、
ケタミンを保管するための保管庫の設置や年間の使用報告等が義務付けられます。なお、
麻薬施用者の免許や義務の詳細については、
都道府県の薬務主管課で知ることができます。
......

あと、厚労省へは、誰でも思いつくような悪の手口について事前に公表しておくことは、
そんな事してもダメ...お役人は想定済み・お見通しと知らしめることになるので
犯罪防止に役立つのではないかと意見しました。あえて、厚労省に示した具体例は
ここでは記しませんが、ほんとどうにでもなるように思います。
帳簿の帳尻を合わせることなどは簡単なことです....でもだめですよ〜〜
お役人はお見通し...といいながら、ほんとうにそういう眼力があるのか、不安です。

ちなみに、今までも、限られた動物病院ではいわゆる麻薬は使われていましたが、
前にも述べたようにその数は少なく(へんなことをしたら目立つ?!)、
また施設規模もそれなりのところばかり(?)だったと思いますので、
なんら問題はなかった・起きてこなかったように思います。
でも、これからは獣医師ひとり助手ひとり(いるかいなか)...そういうところでも
麻薬を取り扱うことになるかもしれません...そうなることは自然なことだと思います。
ケタミンの有用性を知るものとしてそう思います。ただ、先にご指摘があったように
ケタミン以外のホルヒネに代表されるいわゆる従来の麻薬まで
扱うかどうかはわかりませんが、
そのうちそういうのも使うようになると思うのがより自然かと思います。ただ、
なんとなく流通のところで抑制がかかるような...。厚労省は、
『今後、できるだけ流通に支障が生じないよう、業界に要請することといたします。』と
答えていますが、どうなることやら...。

最後に、今回のケタミン問題はあくまでも麻薬の問題かと思います。
決して 一般のひとに無関係ではないように思います。これから、今回のことで
いわゆる従来の麻薬が“身近”なものになることがないことを願うばかりです。

またまた長々と書いてしまいましたが 以上をもって
ケタミン問題についてのここでの私の発言を終わりにします。

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