獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200604-8

猫白血病について、2
投稿日 2006年4月1日(土)23時25分 投稿者 けりーずはうす

猫白血病は名前の通り、血液の癌を起こす病気がウィルスにより伝播されます。
病気の症状自体は白血病だけでなく、体の中にリンパ腫という癌ができたり
軽いものでは、免疫不全のような日和見的に悪くなることもあります。
伝染経路は母猫から子猫への胎盤、乳汁感染やこの病気をもっている猫との
主に喧嘩による接触感染です。ほかに食器、トイレの共有、グルーミングなどの
濃厚接触感染もあります(1−2回くらいでは大丈夫です)
もちろん、猫同士のみで人にうつることはありません。
もしも感染してしまった場合
発症すれば、治療法はその病気により変わります。

感染初期の段階であればインターフェロンを連続で注射していくことで
陰性になることもあるようです。
ただし、これは費用がかかることですし、確実な方法とは今のところ
いえないようです。
また、命に関わる状況にはならないが、口内炎や突発性の高熱を出すなどの
軽い症状が出る場合、どのようにそのいい状態を維持していくかは
その獣医師の判断により、様々でしょう。
ただ、ストレスのない生活を目指していただくこと、病気のサインを早めに
見つけていただくこと、白血病以外の予防接種をしていただく事で
体調を崩すきっかけを作らないようにしていただくことをお勧めします。
もちろん、うつす側になっていることもありますし、怪我から思わぬ悪い病気を
併発しないためにも、去勢手術もおすすめします。

また、この病気には予防接種があり、これが猫エイズとの違いです。
ワクチンを打っていれば持っている猫との接触があっても防御ができるわけです。
ただ、このワクチンを打つことで、皮膚に腫瘍が出来ることも事実であり
(私はたまたま遭遇していませんが)危険性があることは確かです。

☆さんはこのワクチンの存在をご存じなかったのでしょうか。
または前述した、子猫の時からすでに感染していたパターンなのでしょうか。
たしかに、若くしてリンパ腫などを発症した場合は余命は長くありません。
実際に私もこれで猫を亡くしております。
しかし、だからこそ、この病気に罹る猫をできるだけ少なくするためにも
猫の完全室内飼育や外に出す場合も去勢、避妊手術を皆様に強くお願いしたいものです。

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