獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200605-140

re: 猫 3種混合ワクチン接種
投稿日 2006年5月13日(土)12時34分 投稿者 プロキオン

すでに、けりーずはうす先生からレスがついておりますが、私は少し意見が異なりま
す。

猫のワクチンは、病原体の感染そのものを成立させないというワクチンではなく、感
染しても病気が軽く済むというワクチンに相当するはずです。
このために、母猫からの移行抗体云々という問題がなくても、大人の猫であろうとも
、最初に接種する際は、基礎接種としては2回の接種が推奨されています。
また、追加接種についても、疾病の流行地であれば、年1回ではなく、半年ごとの接
種が望ましいとメーカーの説明書に記載されています。

実際、私の病院の猫たちにおいても、ワクチン接種から8〜10ヶ月くらい経過して
いると来院する患者猫から感染していて発熱していることがあります。

猫のワクチンに関してであれば、お住まいの地域の疾病の流行状況、野良猫密度、そ
して本人の免疫レベルや健康状態に応じて、考慮するべきかと考えます。
まあ、このように申しても、飼い主さんでは判断できない事項もありますので、そこ
を主治医の先生が判断するということになります。
地域事情にかかわることについては、成書やネット相談が適切な回答をだせるという
ことにはならないはずです。

原則的には、採血して、各疾病の抗体保有レベルを測って、それに応じて考えれば良
いことなのですが、その手間暇と費用を考えれば、おそらく2回接種してしまった方
が話としては早いでしょう。
問題は、ラグドールのアレルギーです。このアレルギーがワクチンについてのアレル
ギーであれば、この猫にはワクチン接種は控えるべきでしょう。
# 不活化ワクチンに対するアレルギーであると判明していれば、こちらは接種せず
  に生ワクチンだけにすることは可能だと思います。

アレルギーが他の要因に対してであれば、あまり心配される必要はありません。ワク
チン接種後、ある程度の時間(できれば半日程度)、動物病院に預かってもらって、
様子を観察していてもらえばよろしいかと思います。

ねんねこさんが書かれていたように、獣医師によって、意見が分かれてしまったように
見えますが、基本的には私も主治医の先生に相談してで良いと考えています。
上で述べましたように、地域事情を知らない者が、こうすべきだと言うようなことでも
ありませんので。

猫のワクチンは、こういう点があるのでというに過ぎません。心配であれば、2回接種
しておいた方が安心できるというだけのことです。
そして、それがアレルギーがあるということであれば、接種しない方が良いというだけ
のことです。ワクチンアレルギーであるか否かは極めて重要なポイントです。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。