獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200605-221

Re:スムースチワワ4ヶ月
投稿日 2006年5月19日(金)22時18分 投稿者 山下 貴史

あじゅさんこんにちは。獣医師の山下と申します。

シャンプーについて聞かれると、確かにけりーずはうす先生の答え方になっちゃいますよね、うんうん。でも、他の部分でちょっと気になったので…ということで、4ヶ月のチワワさんでフケを伴うカユミで、皮膚病変を伴わないってことですよね。病気ではないとして、いくつか家でチェックできるようなことを書いてみますね。特にシャンプーは皮膚(特に皮膚バリア層)にとって「悪」であるという認識をきちんと持ってもらって、頭をシャンプーから少し離してもらえれば僕の役目は90%完了です。ちょっと決め付けているみたいな感じに読めちゃいますが、そうでなくてチェックってことで、よろしくお願いいたします。

1)まず、痩せていませんか?生後2ヵ月半からの一ヶ月間は小さな犬のチワワさんにとっても結構な勢いで成長する時期です。毎日のように(大げさ?)食事の要求量は増えるはず。さらにもしショップさんから来たような子であれば、最初からわざと食事をコントロールすることで、細めに小さく見せていた場合もあります。まずはチェック項目として、背骨と肋骨がナミナミと(洗濯板のように)触れたりしませんか?また後ろ足2本でばんざいの姿勢の時に、おなかがちょこっと「ぽてっ」ってしているくらいが、チワワさんなら6ヶ月くらいまではいいかもしれませんね。痩せていること(栄養不足)と小さい子(遺伝的)は違うのです…。

2)フードをふやかして与えていますか?ふやかすこと自体はどうでもいいのですが、その際に、ふやかしたお湯を捨てちゃったりしていることはありませんか?栄養分が水に流れてしまって残りカスをあげている人が今でもたまにいます。

上の1)と2)は栄養的な部分ですね。もし痩せているならば、そのあたりとかウンチ検査をすることで寄生虫や消化の具合を、必要ならば血液で肝臓などをさらにチェックします。

3)シャンプーをされるということですが、頻度はどのくらいですか?通常、若い頃のわんちゃんの皮膚はそれほど多くのシャンプーを必要としません。むしろ、皮脂などをその場に保たせるためには、セラミド&ヒアルロン酸などからできたバリア層をいじめてしまいます。シャンプーは動物病院のものであっても上にも書きましたが、「悪」に働く場合があります。界面活性剤を含まないシャンプー&保湿剤は今日本の獣医療では存在しません。(市販のものでそれをうたっていてそこそこよさげなモノがあるようですが…)

4)ブラシをかけていますか?とくに最近多いのですが(うちだけ?)スリッカーと呼ばれる針金の集まりみたいなブラシでガリガリやっちゃって皮膚が傷ついている患者さんを診ます。話を伺うとショップに勧められたということで…。スリッカーは使い方によっては非常に有効ですが、一般の方には非常に扱いが難しいものです。

3)と4)はケアですね。特に今回あじゅさんからお話の出ているシャンプーはこまりもので、うちに転院してくる皮膚病の結構な率で「過剰なケア(耳・皮膚・オシリ・手足など)」による正常皮膚バリアの破壊があります。人と犬は違いますからね…。

ってどれも当てはならなかったらごめんなさいです。必要ならば、保湿を目的に皮膚用のサプリメントを使用して、うちからのセラミド生成を助けるのも良いかもしれませんね。

このままほっとくとチワワさんがたくさんシャンプーされてそのうち皮膚バリアの破壊から来るドライスキンに本当になっちゃいそうでしたので、しゃしゃり出てしまいました。失礼いたしました。

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。