意見交換掲示板過去発言No.0000-200605-298
Big1先生こんにちは。 |
投稿日 2006年5月27日(土)18時38分 投稿者 山下 貴史
Big1先生、本当にご無沙汰です。山下です。別に「まぁいいや」で流しちゃっても良かったのですが、先生の文章を読んだ一般の方や新人獣医師が誤解するといけないので、しゃしゃり出てまいりました。 別にBig1先生はそれでもいいんじゃないでしょうか?適応基準はともかく、方法としては「全然OK」ですし、確かに「虫がいなくなること」は良い治療法ですよね。ただし一般にこの手技は、肺動脈基幹部に多数の寄生がある場合や重度寄生の場合の駆虫時の合併症予防がメインの方法です。つまり、考え方としては「プレVCS(そんな言葉ナイと思いますが)」に対しての処置と考えるのが一般的と思われます。 最近はAHS(米国犬糸状虫学会)が3年に一度開かれて、一部のマクロライド系の抗生物質(特にイベルメクチン)におけるリーチバック効果やミクロフィラリア&成虫駆除効果という安全なガイドラインを示してくれて、の有効性と安全性が見直されていますから、無用な血液は流す必要はありませんし、裏づけのない処置は時にお互いの不幸を招きます。 また、透視ガイド下でのフレキシブルアリゲータ鉗子による摘出は、少なくともどこでも誰でもできる手術ではないですよね。 もちろん、長期間の心臓へのフィラリア寄生による物理的影響を考慮した上でじゅうぶんなインフォームドコンセントをして、先生のような熟練者のもとで処置されるならば素晴らしい方法のひとつにもあると思います。 でも、ここは一般の方がご覧になる掲示板ですから、10人に1人もできないと思われる処置は書くべきでないと判断しました。別に「オレなら安全にできるぜ!」って先生に言われても、誰もBig1先生がどこの誰かわかりませんから、連れてもいけませんし・・・(僕も先生のことHN以外は知りませんし…)。ということで、コモンプラクティスになりうるベースとして、今最も信頼のおけるAHSを基にカキコしているつもりです。つまり、僕の私見は「余計なことをひとつ…」以外には入っていないのです。(僕のやり方まで書いても、混乱を招くだけですから) 例えると…腰部椎間板ヘルニアでステージ3&4の場合は完全に外科療法が適応ですが、ステージ1でいきなり外科というのはなんだか…と思いませんか?保存療法でも十分効果が得られるならば、わざわざ外科にもって行くにはそれなりに理由が必要であると思います。(って、話がそれちゃいましたね(笑))Big1先生とのディスカッションは楽しくて大好きなので、またお願いしまぁす♪ ちなみにこれを読まれた皆様におかれましては… AHSはアメリカの獣医師が多く(他の国もいるけど)、もしかしたらちょっと日本人よりは不器用なのでこんな指針なのかもしれません(これは私見)。 …ということもご考慮くださいませ。
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