獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200607-145

ナディアさんへ
投稿日 2006年7月16日(日)22時13分 投稿者 けりーずはうす

胸水の中でも、乳び胸と腫瘍性のものでは原因に違いがあります。
ナディアさんが理解されているように、乳び胸はリンパ管が破れることで貯まりますので
原因の破れた部分を見つけ
結紮すれば漏れは止まるのですが(実際には、文字で書くように簡単にはいかないのですが)
この腫瘍性の胸水は、分かりやすくいうと、布から水が漏れるように腫瘍全体から漏れ出ているので
外科的にどこかのリンパ管を結紮すれば止まると言うものではないのです。
だから、腫瘍組織が小さくなり、腫瘍から液が産生されなくなれば胸水は止まるのです。

そして一口に胸水といっても、心臓性の胸水、肝不全による胸水などでも対処法は違うのです。
また、その場合は胸水の成分にも違いが見られます。

ご理解いただけましたでしょうか。
また、ナディアさんの犬さんの腫瘍によりリンパ管が破れるという例は珍しいのではないのでしょうか。
一般的に胸部に腫瘍が出来て胸水が貯留する場合は、後述の例が多いのですが。
他の先生はご経験あるのかもしれませんが。

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