獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200607-33

まいさんへ〜猫の腎不全〜
投稿日 2006年7月3日(月)17時42分 投稿者 山下 貴史

獣医師の山下と申します。まいさんこんにちは。

まずは確定診断をつけることと、今のまいさんのネコさんの状態を知ることをされてみてはいかがでしょう?うちの病院で患者さんに話していることをそのまま書きますね。

慢性腎不全の確定診断は、尿素窒素(BUN、SUN)やクレアチニンの値だけでつけることはできません。最低でもこれに尿検査(特に比重=尿の濃さ)を組み合わせて考慮します。他にも僕ら獣医師は、ご家族からいただいたお話(以前に比べて水を飲むようになったとかおしっこの量が増えているとか)や身体検査(脱水や体重減少など)の評価を合わせて腎機能低下や腎不全を疑います。(ちなみに、上記の症状は慢性腎不全でもある場合もない場合もあります。)これくらいまでで初めて慢性腎不全の仮診断がつきます。

次にすべきは、ネコさんの状態を知ることでしょう。ここでは本当に慢性腎不全なのか?他の併発症(甲状腺疾患・腎結石など)がないのか?などを確認します。
検査内容としては、血液検査(血球検査やリン・カルシウム・アルブミン・甲状腺ホルモンなどを含めたいですね、できれば全体を)、尿検査(尿蛋白や細胞の種類を含めたい)、X線検査(=レントゲン)、超音波検査(=エコー)、血圧測定・・・くらいはやってもやりすぎにはならないものでしょう。

ここまでやって初めてそのネコさんを評価できて、治療方針が立つものと思われます。

もっと詳しくやりたければ、尿路造影検査で尿管や腎臓を、血液ガスを見て体が酸性に傾いていないか、さらには精密な尿検査などをしてもいいかもしれませんし、大学に行けば腎臓機能をさらに調べられますが、そこまでマニアにやる必要性は少ないかと思います。

あとは、慢性腎不全があるにしろないにしろ「水を飲む」ことをさせてあげてください。確かに飲みずぎで水中毒なんて話も聞きますが、飲まないことでの害のほうが明らかに多いのです。水の温度をいろいろそろえて好みの温度を探したり、入れ物の素材や大きさなどを選ばせて見たり、部屋の中にたくさん(アメリカの講師は1部屋に10〜20箇所とも!?)の水入れを置いていつでも飲めるようにしたり、流れる水が好きとかお風呂の水が好きとか・・・工夫してあげてください。「うちの子はたくさん飲みますから」と言わずにがんばって!!極端に言えばいくらでも飲んで欲しいのです。

ちなみに、ウェットタイプの食事は、その中に70%ほどの水分を含みます。(ドライは10%以下)ウェットの食事が好きならば、ドライだけにする必要は無いかと思います。処方食でもウェットもありますし・・・。でも、食事につきましては、慢性腎不全確定後また考えればよいのではないでしょうか?

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