獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200607-88

Re:兎の治療中における死亡について
投稿日 2006年7月10日(月)10時16分 投稿者 ムクムク

ミユさんへ

「人間に同じ悩みなんかありはしない。同じように見えても、全て異なる悩みだ。」
という言葉を聞いたことがありますが、愛するペットを失った方のお悩みは、
本質部分において第三者には答えにくいという点では似ています。
死因や死に至るまでの治療の是非は、死体を入手したベテランの解剖学者のみ
コメントが出来ます。
ネットでは感情面だけがやりとりされ、同じ感情を共有する人が集まっている
サイトもあります。
動物病院には問題を起こしている動物が集まり、私の経験では病院に来るまでの
交通手段の中で死亡してしまった例や、診察台で数分以内に死んでしまうような
例もあります。
獣医師は神や占い師ではありませんので、まず生体から情報を入手し(診察)
その上で治療を開始します。
テレビドラマなどでは都合良く治療が開始されますが、実際はあてずっぽに
治療されることなんてありません。
弱った動物を診察する場合に、触っていいですかとインフォームドコンセントを
行うことがあります。
飼い主さんにはそれほど重大な事態に見えなくても、臨床医には今すぐにでも
死に至るような呼吸困難がある場合がそうです。
飼い主さんによっては、リスク説明を了解して治療を開始できる場合と、治療を
拒否される場合があります。
合意の上ですから、事前に事態を掌握している場合はいいのですが、突然訪れる
死については、悩ましいとしか言いようがありません。
獣医師はリスクがあっても診察し無ければなりません。
言い換えればリスクがあるから診察しなければなりません。
レントゲン撮影で動物が動いては不都合なので軽く保定しても、弱った動物には
大変なストレスの場合があります。
この掲示板でも、レントゲン撮影時の死亡例は報告されていますし、私自身も
経験があります。
100に1つ危険があったとすると、99の方には非常に治療に有効ですが、
1の方には悲劇的なことが起こります。
実は1の方にとっては100%なんですよね。
その悲しみは、獣医師にも理解できます。
事態を把握し、適切な処置を行うべきですが、リスクを過度に恐れるあまりに
診断治療が出来ないというのも99の方にとっては不幸です。
ウサギに関して以前にもレントゲン撮影時の死亡例がこの掲示板にもあり、
私自身はそれ以来慎重になり、実際例でレントゲン撮影より酸素吸引を
優先し、その吸引直後に死亡したことがあります。
それはそれで飼い主さんには不満だったと思います。
出来ることをしてもらっていないという悔いがあるでしょう。
インフォームドコンセントは大切だと思います。
また、飼い主さんの動物に対する思いも大切だと思います。
ただ、これを過大に意識すれば、医療は確実に縮小撤退していきます。
現在の産婦人科の減少が典型です。
リスクがあるからやめてしまう、これは一つの答えです。
実際、小鳥や兎などのエキゾチックペットの治療を手がける病院は
専門病院が出現していますので増えているように見えますが、一般の動物病院は
避けつつあるというのが実態だと考えています。

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