獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200608-217

re: 骨について
投稿日 2006年8月23日(水)14時56分 投稿者 プロキオン

大したことではないという意見もあるかもしれませんし、止めておいた方がよいという
意見もあると思います。両方の意見があるのを承知の上で私の体験から。

私の病院からはやや遠方に住む飼い主さんなのですが、豚足を犬に与えていました。
それがある日から、犬の様子がおかしくなり、何も排泄されないのに便意があるかのよ
うな仕草をするようになり、同時に嘔吐も見られるようになりました。
近くの病院へ行くと、「下痢であるが、でるものがない」という説明で、知り合い(私
のことです)がいるのであれば、そちらで診てもらってくださいということでレントゲ
ンは撮影しなかったそうです。
私のところでレントゲンを撮影してみましたら、消化管内に著しくガスが貯留して膨ら
んでおり、その先端には丸い塊が写っていました。これは噛み砕いて細かくなった骨が
固まったものでした。つまり、骨によって「腸閉塞」となっていたのです。
至急、開腹して骨の塊を取り出す手術を実施しましたが、すでに消化管はまくろに変色
して壊死していました。
やむなくというか、選択の余地も無く、壊死した消化管を切除して、健康な部位同士で
繋ぎなおすという手術に移行しましたが、結論から言えば、その犬は日付が替わる前に
亡くなりました。
飼い主さんは、いつも与えていたので大丈夫だと思っていたそうなのですが、ちょうど
寒い時期で、飲み水が凍っていて、充分な水分をとることができていなかったようでし
た。
私の研修先の病院でも牛の骨を食べていた土佐犬が、やはりお腹の中で一度で溶けてセ
メントのように固まってしまった症例があったそうです。(この犬は助かっています)

100回、骨を与えて、その100回全てで問題を起こさないということであれば、骨
を与えることは問題がないと言えるでしょう。
しかし、わずかでも腸閉塞の危険があるのであれば、他人に勧めることは控えるべきだ
と私は考えています。
そういう危険性があることを承知していて与えるも飼い主の自由なのですが、その場合
であっても、ご自身の犬に限定してのことだと思います。

私は、そういう体験をしていますので、決して勧めませんし、止めた方がよいですよの
意見です。

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