獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200612-64

re: 狂犬病について
投稿日 2006年12月12日(火)10時38分 投稿者 プロキオン

12月11日の 素さんへ

>この度お亡くなられた方についての報道では、初めの症状は風邪のようだったとあったように思います。
そのとき周りにいたひとに感染する可能性はないのでしょうか?

狂犬病においては、最終的には神経麻痺による呼吸不全で死亡することになるようですが、そこに至るまでの時点で、ウイルスの存在するもの、例えば血液、唾液、排泄物等
の処理を正しく実施しておく必要はあります。
狂犬病ウイルスは、感染対象を選ぶということはありませんから、当然ながら、患者さんの治療にあたる者は、その点を承知していて、衛生管理がとれる者がふさわしいと考えます。まあ、そのための隔離措置がとられるということですね。

「風邪のような症状」ということで、その時の飛沫による感染を心配されているのではないかと想像しますが、これこそ、昨日述べた「量と時間」の問題ですね。ずっとその状態が継続していれば、それだけ危険性が出てきますが、どこまでなら大丈夫、どこからは危険というラインを引くことはできないと思います。
それは、過去の事例が、そういう状態を放置したままにしていなかったからです。また、入院後のことについてであれば、病院関係者から飛沫感染が発生したという話は聞いた事がありません。
今回のように日本において長期に亘って、発生がなかったにもかかわらず、誤診することなくどちらの病院も直ちに隔離入院の措置がとれたのですから、「量と時間」の問題は押さえ込むことができたのではないかと想像しています。


>それと、犬に咬まれた犬は場合によっては保健所送りとなるとありましたが、どこでも同じような対応がなされるのでしょうか?

先のレスは、今現在の日常の場合とは受け取らないで下さい。ビリーさんの質問が狂犬病の治療方法としての暴露後接種についてであったため、「咬んだ犬が狂犬病に感染している可能性を有している」という前提での話としての場合になります。
狂犬病に感染の可能性がないのであれば、ただの犬同士の咬んだ咬まれたという話にしかなりません。

ただし、犬が人間を咬んだのであれば、繋留経過観察の部分は実際問題として、狂犬病予防法制定以来、ずっと摘要されるべき条項となっています。
咬まれた人間も、咬んだ犬の飼い主も、どちらも保健所に届け出ることが義務づけられています。

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