獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200707-108

Re:犬の頭のペコって
投稿日 2007年7月16日(月)02時06分 投稿者 パールちゃん

ちょうどイヌ掲示板のほうでも「ブリーダーではない繁殖屋」の話題が出たところですが、ひなたさんがパピヨンを買ったところも「ブリーダーではなく繁殖屋」ですね。
真のブリーダーならペコの犬を販売はしないでしょうし、ましてや生後2ヶ月未満の子を売るなんて・・・。まるでやっかいばらいのようですね。

ペコと呼ばれるのは泉門開存症とか泉門融合不全といって、誕生後に閉じるべき頭蓋骨の合わせ目が閉じずに穴が開いている状態のことです。
脳の病気、特に水頭症を発症する原因になることがありますし、脳圧が高まって浮腫を起こしたり、神経症状を示したり、目が飛び出る顔つきになったり、視覚異常や斜視の一因になったりする場合があります。
ペコの犬の全部が全部そうというわけではありません。なかには成長するにつれ自然に頭蓋骨の隙間がふさがってなんの問題もなく一生を送れる犬もいます。『ペコがあるけど、何の問題もないし、大きくなればふさがる子もいますよ!』と言った繁殖屋の言葉のうち、『大きくなればふさがる子もいますよ』は正しいですが、『何の問題もないし』は正しくありません。問題は大有りです。
かかりつけ病院とよく相談して頭蓋骨の状態を定期的にチェックすることや、毎日の生活の注意点(激しすぎる運動は控える、頭をぶつけるような衝撃はぜったいに避ける)などのアドバイスを的確に受けることをおすすめします。パピヨンは先天性の膝蓋骨脱臼を発症しやすいので、これについても病院によく相談しておいてください。

ペコは、小型流行犬種に多い病気で、産めよ増やせよの乱繁殖の結果、そういう先天性異常が出てしまうのです。体つきのわりには頭が大きくてかわいいとか、おめめがクリクリと大きくて愛らしいとか、そういう見た目のウケ、つまり売りやすい子を作るために無理な交配をした結果です。
そういう子を迎えたのならぜったいに繁殖に使ってはいけませんし、もしお世話が大変な状況になってしまっても責任をもって生涯をともにする覚悟がないといけません。

獣医さんと二人三脚で成長を見守ってください。パピヨンに発症しやすい病気についてたくさん情報を仕入れてください。

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