獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200707-5

Re:同居している幼い姉妹シマリスの別離時期
投稿日 2007年7月3日(火)00時31分 投稿者 堂本

獣医師です。
小動物を扱うことが多いので、同じような質問をシマリスのオーナーさんから受けることが多いです。

結論からいうと、シマリスの同居が上手くいくかどうかはそのペア次第です。
ペアを分けたとたん、別離ストレスかは分かりませんが、一方のリスが性格が変わって非常に扱いにくくなったという例もあるほどです。

教科書的には「リスは単独飼育」が常識で、ペアは向かないということになっていますので、獣医でもそのように言う人が多いと思います。
(問題が生じたときに責任を問われることもないですから)
しかし、実際にはまったくケースバイケースです。

自然状態の広大な森では、リスはまったく別のなわばりで生活しているかのように思われていますが、その範囲は意外に狭く、接触もたびたびあることが生息調査で分かっています。

お話をされたかかりつけの先生は多分経験が多いのでしょう。
その方がいっているように、長年目立った争いもなく10年もつづくペアもいます。
私自身、そのようなシマリスを何例も知っています。
一方、何年かは上手くいっていたのに、いつしか性質が変わり共同生活が上手くいかなくなることもあります。
おそらく後者のケースが多いでしょうが。

いずれにしても、オーナーさんの日頃の観察が大事です。

ケガ以外の目立つサインはあまりありませんが、私の少ない経験上からいくつか申し上げると
・同じ巣箱に入らなくなった
・トイレをしつけているなら同じトイレを使わなくなった
・果物や野菜などエサの奪い合いでどちらかが勝っても、負けた方が自分の分のエサを食べず、相手のエサをしつこく力づくで奪うようになった

※ただ、エサの取り合い自体は自然な争いで、なわばり意識とは別のものです。
問題はリスが満腹にもかかわらず「このエサは自分だけのもの」という独占意識が強くなったことです。

先生もおっしゃるように、同じケージでも、十分に広さがあって、別々の巣箱があり、身を隠せる狭い隙間があったりすれば、争いの確率はかなり低くなるでしょう。

ただ、質問者のケージの広さですが、確かに狭くはありませんが、2匹がずっと・・というレベルではないと思われます。

繰り返しますが、ペア飼育は「不可能ではない」ものの、生活環境や性質に左右されることが多いものだと言うことは理解して置いてください。

毎日の観察、これが一番大事だということを改めて強調したいと思います。

質問者はペア飼育を希望しているように思われます。
それが最善だとは言いませんが、もしそれを希望するのであれば、日々の生活にちょっとした変化があったら、とりあえず弱い個体を別の生活空間に分け、かかりつけ獣医師の意見を聞いてください。

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