意見交換掲示板過去発言No.0000-200711-45
Re:Re:Re:猫の乳腺腫瘍 |
投稿日 2007年11月14日(水)12時05分 投稿者 プロキオン
>水が溜まっていなくても、呼吸が苦しいから横にならないという事もあるんでしょうか? 理屈の上では、胸腔内に貯留している胸水が肺を圧迫して肺が拡張できなくなる。肺が拡張できないから酸素不足で苦しくなるということになります。 しかし、圧迫しているものが胸水とは限らず、腫大したリンパ節という事もありますし、また、肺の実質への腫瘍の転移そのもので、肺の喚気機能が衰えてしまっているということもあります。さらには、これらとは異なって、貧血が出てしまっている場合もあります。 姿勢との関連がありそうということであれば、胸水が最初に思い浮かびますが、必ずしも胸水が原因とも限らないわけです。それゆえ、レントゲンによる確認があれば、考えうる原因というのが推測できるかもしれまないということです。 >水が溜まっている場合、前足を持ってバンザイをしただけで死んでしまう事があると聞きましたが、本当ですか? 万歳という姿勢では、おそらく大丈夫ではないかと思います。大抵のケースで肺の後葉領域が圧迫されて呼吸不全に陥っていますので、尾側を下にしての重力に引かれるケースであれば、さらなる窒息に繋がる状態にはなりにくいと考えられます。 まあ、これも程度によりますので、喚気ができない状態が重度になっていれば、万歳の姿勢でも呼吸ができなくなることはあります。 おそらく、ひどい方の例として「万歳の姿勢でさえも」という意味でそのようにいわれたのではないでしょうか。姿勢というよりも、猫を拘束したり、恐怖感を与えること自体に そのような危険が付きまといます。 作者の氏名を失念してしまいましたが、小学校の教科書に「ずっと、そばにいるよ」というお話が掲載されていたはずです。主人公の少年が子犬を飼うことになり、二人はいつもいっしょに居ましたが、少年も犬も一緒に大きくなってきました。でも、いつの頃からか、犬は少年を追い越して老いていくようになりました。階段をあがることができなくなった老犬を抱いて二階の寝室に連れて行くのも少年の仕事でした。 ある日、老犬は亡くなり、少年の家族はみんな泣きましたが、少年は泣きませんでした。 犬が使っていた道具も、近所で犬を飼い始めたもっと小さな子にあげてしまいました。今、それらの道具を必要としているのは、死んだ犬ではなく、今から大きくなっていく子犬の方がだからです。 主人公の少年は、死んでから悲しむことよりも、生きているうちに「君のこと大好きだよ、いつまでもいっしょにいるよ」と犬に言ってあげることが大事なんだと知っていたからです。「ずっと、そばにいるよ」そう言って老犬を送り出してあげていたから、寂しい悲しいと泣いていたら、犬を一人きりにしてしまうことになります。見ることも触れることもできませんが、少年が犬のことを忘れてしまわない限り、二人はずっといっしょにいるのです。 昨日も我が家の長女は、ときどき大人をドキッとさせることを言うと申しましたが、実は、このお話も関係しています。 私が診察していた犬が亡くなって、がっくりと来ていたときに「お父さん、この本読んで」と言って持ってきた絵本でした。読んであげてから、この本に書かれていることわかるの?と尋ねると、「夕べ、お母さんに読んでもらったから分かる。」というのです。この絵本気に入ったのと聞くと、「お父さんに読んで欲しかったの。○○ちゃん、昨日からお父さんに話かけていたんだよ、聞こえなかったの」と真剣な顔で言うのです。直接、そんな話しをする時間はなかったし、どうも彼女なりに察するところがあって、私のことを励まそうとして夢の中で話しかけていたようです。長女も、そのような意味のことを話してくれました。 これは、昨日の話よりもさらに前のことで、保育園に入る前のことです。作為や意図の紛れ込む余地のない年齢だからこそ、ストレートに響きました。 後々、長女が小学校にあがり、再びこのお話で出会うこととなりましたが、あのときのこと憶えていると尋ねたら、一応記憶にあるようでした。 私は、このお話の挿絵にある少年と犬とが寄り添って肩を並べている絵が好きです。
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