獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200712-101

Re:背中の神経、両脇の神経の痛み
投稿日 2007年12月19日(水)18時13分 投稿者 けりーずはうす

犬種は何でしょうか、何歳ですか?
ネット越しの相談の場合は、犬を実際に見ているわけではないので、相手から早い回答を得られるには出来るだけ
情報は詳しくお書きになられた方がいいですよ。
例えば、犬種、性別、予防の有無、飼育環境、食餌などなど。
関係ないと思われることも、意外と大切な情報なのです。


さて、椎間板ヘルニアの症状が出たということでよろしいですね。
この病気は、好発犬種というものがありまして、ダックス、ビーグル、ペキニーズなどなどは
遺伝的にこの病気になりやすく、若くても発症します。
酷い場合は5−6歳で下半身が麻痺をして手術を必要とすることもあります。
残念ながら薬などで完治する病気ではないため、痛みを抑え、日常でも痛みが出ないよう
あるいは病気が進行しないような生活をしていただく必要があります。

はなままさんの犬さんは、まだ痛みの段階ですから初期といってもいいでしょう。
レントゲンは撮って頂いているのでしたら、病変部がはっきりする場合と、まだレントゲン上では何も異常がない場合もあります。
さて、脇に手を入れて抱き上げようとした時に痛みを発するのは、椎間板ヘルニアの場合にはよくあることです。
これは、この抱き方では一度犬の背骨が人に様に立ち上がった状態になるため、大変な痛みを発します。
今後は、抱く時には人が膝を落とし、犬のお腹側の前足の後側に手を入れて支え、お尻側と2点で支えて、犬が4つ足を下にしたまま一旦膝まで持ち上げ
その後手を入れなおして抱くのがいいでしょう。

今後についてですが大切なことは、体重管理ももちろんですが、運動も大切です。
とはいっても、走ったりジャンプしたりすることではないですし、もちろん症状が落ち着いてから始めなければなりません。
この運動とは、「真っ直ぐ、連続でわりと早めに歩く」ということです。
犬の背骨の周囲の筋肉を鍛えるのは、全力疾走よりは早歩きなのです。小型犬であれば10−15分程度でいいでしょう。
大切なことは「止まらずに」歩くことです。
そうすることで、背骨だけにかかっていた体重が筋肉でも支えることになり、病気の進行を緩やかにしてくれるでしょう。
次にサプリメントですが、すでに病気を発症しているのですから投与することをお薦めいたします。
サプリメントはやはりグルコサミン系のものです。
これは、直ぐには効果を発揮しませんが、椎間板というコラーゲンで出来た組織を正常化するのに役立ちますから
長期的には痛みの緩和になります。
今は犬用に食べるタイプのものが各社販売していますから、長く続けられるものを選ばれるといいでしょう。
動物病院などにも置いてあります。

当院では、椎間板ヘルニアの犬などには、お灸をすることもあります。
お灸をしてくれる病院なども最近はありますので、尋ねてみられてはいかがでしょうか。

椎間板ヘルニアは、脳から出た神経が尾の付け根で終わるまでの脊椎全てにおいて起こりうる病気なのです。
遺伝的にでやすいこともありますが、犬も所謂高齢の7−8歳を過ぎると、いつ出てもおかしくありません。
問題は、この病気になってしまったあと、どう痛みの間隔を長くできるかはやはり先に述べたことも重要な鍵となってきます。
抱っこの仕方などは、習慣となっていますからなかなか変えるのは難しいかもしれませんが
皆さんでがんばって努力してみてくださいね。

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