獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200712-29

Re:独り言です:腹水を抜くことについて
投稿日 2007年12月6日(木)22時58分 投稿者 田口正行

獣医師の田口です。
まず、犬や猫の腹水を抜く処置で、患者さんを殺してしまうことは普通はありません。

腹水を抜く事には2つの目的があります。
ひとつは溜まってしまった腹水の性状を調べるために、診断の一助として行うもの。
二つ目は、貯留した腹水によって呼吸や腸管の機能が障害を受けているために、これを改善する目的で行うもの、の二つがあります。

検査の目的での腹水抜去では、死に至るような合併症を伴う危険性は殆どありません(皆無ではありませんが)。
ですから、砂ネズミさんに溜まっていた腹水を抜いた目的が検査のためであれば、そのために亡くなったということは考えにくいと思います。

二つ目の呼吸や腸管への圧迫の解除を目的とした場合には、急激に抜きすぎると血圧が低下する危険性はありますが、実際には多くの場合で腹水を抜いている最中の動物達は気持ちよさそうにじっとしています(針の刺入部には局所麻酔はしていますが、全身の鎮静などは行っていない状態でです。)し、トラブルを起こすようなことは考えにくいと思います(よほど太い針で一気に抜けば判りませんが)。

ボクは、砂ネズミさんが亡くなった理由は、腹水の抜去にあるのではなく腹水が溜まるような病気を起こしていたことにあると思います。

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