ＦＩＰはコロナウィルスによって起こります。

猫のコロナウィルスには2種類あります。
ひとつは伝染性腹膜炎（FIP）ウィルス、もう一つは腸管コロナウィルスと呼ばれています。
腸管コロナウィルスについては、調べてみると健康猫でも陽性率は結構高いようです。

腸管コロナウィルスは、時に軽い下痢を起こす程度で、病原性はあまりありません。
が、この二つのコロナウィルスは、通常の抗体検査では区別がつきません。
つまり、通常行われる抗体検査は、コロナウィルスの検査であって、FIPの検査ではない、ということです。
FIPの診断は、臨床症状や他の検査結果などから総合的におこなわれます（もちろん、コロナウィルスも参考にはなります）。

ややこしいのはここからです。
FIPのコロナウィルスと腸管コロナウィルスは、全く別物ではなく、腸管コロナウィルスがFIPウィルスに変異することがあるといわれています。
その確率は、一説によると「非常にストレスの強い劣悪な環境で10％以下」だそうです。
一般には、室内での多頭過密飼いで危険性が高いと言われています。

で、仔猫の受け入れについてですが、まず抗体検査を行い、コロナウィルス陰性の場合は基本的に問題なしです。
抗体陽性の場合は、それで即FIPというわけではありませんが、上記を参考に、主治医の先生ともよく相談して、慎重に行動する必要があります。

最後に、猫の病気はFIPだけではないので、FIPだけにとらわれすぎるのはよくないと思います。