獣医師広報板ニュース

意見交換掲示板過去発言No.0000-200811-87

Re3:BUNとCreの変化について
投稿日 2008年11月22日(土)17時48分 投稿者 けりーずはうす

文字だけで、どうわかりやすく説明したらいいのかわからず、少しレスが遅れました。

最後の質問に先にお答えします。
どちらの質問も、主治医に尋ねられるべき内容と思います。
なぜ、投薬しなくても良いのか、様子を見るので良いのか、次はいつ検査をすべきなのか
これらは、メモを取ってでも、はっきりと尋ねてください。
もしかしたら、お忙しい病院でなかなか尋ねにくい雰囲気にあるのかもしれませんが
愛犬の命がかかっているのです。
主治医の先生と連携がそろっていないままの治療は、飼い主さんにとって不完全燃焼になってしまわないでしょうか。
後悔しないためにも、しっかりなさっていただくべき時と思います。

さて、問題の「10日の間に上がったBUNとCre」についてですが。
腎臓や、肝臓の検査は代謝産物を測ることでその臓器の動きについてがわかるということになります。
しかし、この検査数値は血球数や血糖値、電解質などのようにその時の体の状態だけを表すものではなく
血液を採取するその時までの過去の状態も把握するということに成ります。
例えば、正常な腎臓の働きの犬が検査の前日に高たんぱくの食事をしたからといって
10もBUNの値が高くなることはないと思います。
なぜなら、きちんと腎臓が尿中に排泄してくれるからです。
しかし、腎臓の機能が低下しつつある犬に、同じことをすればあり得る話ではあります。

10日前の高たんぱく食のをずっと続けていらっしゃっていれば、機能が低下しつつあった腎臓が
10日後にようやく結果を出してきた(悲鳴をあげた)という解釈でわかっていただけますでしょうか。

さて、誤解がないようにお話しておかなければならないのは、私がここで「高たんぱく食」と言っているのは
「蛋白質多めの食事」となります。
通常高たんぱく食というのは、質の高いたんぱく質のことをいいます。
白身魚、卵、チーズ、肉の赤身の部分、ささ身など。

腎臓の食事は、良質のたんぱく質を必要最低限量あたえるのが基本です。
この場合、某メーカーの腎臓病用のドライフードは全体の13%程度の抑えられています。

もしも、食事の内容がたんぱく質の量が全体の30%を超えた量であったならば、食事内容を見直す必要があるとおもいます。

また、療法食にした場合の多飲多尿ですが、たぶんそのように作ってあるのだったと記憶しています。
それは、老廃物をなるべく血液中に残さないためです。
週末にかかってしまっていますので、メーカー側に確認できなかったのですが
もしも違う情報であれば、また訂正をいれますね。

前にも書きましたが、腎不全の治療は個々の病院によってガイドラインが違ってきます。
犬の状態、年齢や飼い主さんのお考え諸々。
この腎臓の値をほおって置いてよいものかどうか、主治医としっかり話し合われることですね。

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