グレーのビロードのような毛並みにグリーンの目。美しい猫だった。腎不全と甲状腺機能亢進症を患い、9か月間治療を続けてきたが力尽きたようだ。わずか三日間で悪化してなくなってしまった。最後の夜は好きなヨーグルトや、焼鳥、海老煎餅を食べた。そして私の布団に一緒に寝かせ、明け方は自分で主人の布団に移動し、寝ていた。一緒に寝るのなんか最初で最後。人間と寝るような猫ではなかった。あれは私たちへのさよならだったんだろう。その朝静かに亡くなった。苦しまなくて本当によかった。16歳8か月。命日4月3日。
若い頃は驚く程の高いジャンプをみせてくれたが、今はもう手の届かない所へジャンプしてしまったしゃけ。
誇り高く、人間に媚びず、我儘で、自分勝手で、呼んでも気が向かなければ知らん顔。時々甘えてくる。そこが可愛くて猫様と崇め世話を。我が子であり、パンやお菓子を分け合う相棒だった。
今なお、どこかからひょいと顔を出しそう。しゃけのいない家はとても淋しい。

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