獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-200409-24

ペット同行避難訓練を見学して
投稿日 2002年9月2日(月)08時17分 投稿者 あゆ

9月1日、東京都練馬区でのペット同行避難訓練と、災害に備えた
しつけ方教室の会場へ見学に行きました。
これは、練馬区・東京都合同防災訓練の中の、「特長ある訓練、
珍しい訓練」の中にありました。
  http://www.city.nerima.tokyo.jp/ku/bousai/kunren/shurui.html

驚いたことに、この訓練は、会場である大泉北中学校での避難宿泊訓練を
繰り返して来た、北園町会から発したものだったのです。
去年の夏の宿泊訓練で、いざ災害という時に、飼い犬をはじめとするペットを
どうしようか、一緒にいてやりたい、という声が上がりました。
町会にはかると、中立の立場を口実に逃げるどころか、ペットコミュニティを
たちあげて、どのようなことが出来るか考えてみることになりました。

今回は犬に限っての同行避難、ということでメニューが立てられました。
  受付(記録と名札つけ)、
  開会式の間は飼い主から離れてつながれる、
  獣医師会練馬支部からは災害時への備え
    持ち物、ライフチップ、狂犬病注射、予防ワクチン、
    ノミやダニの駆除などについて、
    サンプルや資料は業者が提供協力(会場へも参加)
  都立動物愛護相談センターによる「災害に備えたしつけ方教室」

また、避難所となる大泉北中学に隣接している、関越高速道路の
高架下のスペースを、ペットの避難所として使わせてもらえるよう、
区や道路公団と検討中とのことでした。
避難所への入り口や居場所などを分けて、トラブルを避ける考えです。

とにかく同行避難してみて、何が起こるか、何が必要か、体験して
今後の対策や計画につなげて行こうと。
今回は、北園町会内の推定80頭のうち25頭が参加。
  (他の訓練の役員などで、同行できなかった場合もある)
飼い主と離れて吠える犬も割りと少なく、何より犬同士の騒ぎが
殆どなかったことは、スタッフも驚いていました。

災害に備えたしつけ方教室では、まず犬の本能・習性を知って、
犬との関係や社会性を育てること。 犬は群れの中で、ボスを頂点に
順位のある関係をもつので、飼い主がボスになること。
その目安として、次の4つのことが実演されました。
  リーダーウォーク   飼い主について歩く
  ホールドスチル    座らせて飼い主がまたがるように立つ
  アタッチメント     口の中・尾など嫌がる所を触れるように
  マズルコントロール (次の会場へ向かい、見学できず)
モデル犬のくろべえは、今年4月にセンターへ保護されたばかりで、
ほとんど出来ない状態から、今日のように他の犬が沢山いる状態で
見本を示すほどに、訓練の成果が上がったそうです。

今回は、獣医師会も都立センターも、防災訓練ゆえの参加協力
なので、今後は連携して進められように出来ればと願います。
本会場の光が丘公園には、獣医師会練馬支部のテントがあり、
同様の展示と、路上アンケートが行われていました。 
日曜日ですが、大泉北中学に3名、光が丘に約十数名が参加。
また朝7時半に地震の想定で、支部の獣医師会員50名あまりの
安否確認は、約30分かかったとのことです。

北園町会長の武田佳登さんに話を伺っていて、感服しました。
飼い主とペットとの仲のみにとらわれているのは、ペットの私物化。
災害がおきたらどうするか・その為に何が必要か・どうしておくべきか、
を考え実行することが、ペットも飼い主も「社会化」につながる。
犬の社会化というと、人や場所や動物に対して恐れたり攻撃的に
ならず、落ち着いていられることを指しますが、更に大きくとらえた
考え方だと思いました。

発案者のひとり、田中陽子さんには大変おせわになり、帰りには
アルファ米の炊き込み御飯(水分のみで火を使わずに出来る)と、
福島県の野菜を頂きました。 ありがとうございます。
後日の反省会で何が話され、どう活用されていくかに期待します。


(配布資料)
練馬区獣医師会: 災害時の動物のために
城南島動物愛護相談センター: 避難所で予想されるトラブル
東京都健康局: あなたの犬 思い当たることありませんか?

(参考)当日の取材
ケーブルテレビのジェイコム東京 
  http://www.jcom.co.jp/tokyo/
香取章子さん  新刊「犬と猫のための災害サバイバル」 学研
  http://shop.gakken.co.jp
ANICE アナイス:動物と共に避難する 
  http://www.animal-navi.com/


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