獣医師広報板ニュース

災害と動物掲示板過去発言No.0700-201104-81

動物救援
投稿日 2011年4月9日(土)04時59分 投稿者 ペット防災ネットワーク 

> http://www.jpc.or.jp/saigai/pc_honbu_keika_keika.html
> 福島県郡山市にて、郡山市保健所と郡山市の有志の獣医師で設置するシェルターについて打合せ
> 民間で保護した子も受け入れてくれますか?いつごろ完成する予定でしょう

もちろん誰が保護した子でも受け入れてくれます。
どこかに土地を借りてプレハブを建ててっていう意味のシェルターは、やるのかやらないのか、やるとしたらいつどこにできるのかはわかりませんが、小規模シェルターならすでに受け入れは始まっています。動物病院です。
一時預かりの相談に乗ると福島県獣医師会は公表しています。

2005年に動物愛護管理法が改正されたとき、災害時の動物対策が自治体(都道府県や政令都市)に義務付けられました。なんかあったら自治体が音頭とってやりなさいよ、国(動物愛護を担当する環境省)もサポートするけど、実際に主体になるのは自治体だよっていうことです。
もっと具体的にいうと、福島県が福島県獣医師会に要請を出し、県の動物救援本部を作ります。要請が出される前から動ける獣医さんは個人で、また県の中の獣医師会支部ごとにその地域の保健所と連携して活動を始めます。それが上記の郡山市の例です。

ついでなので補足しておきます。
多くの自治体の保健所ではペットのこと「だけ」仕事している職員はいません、たいていが生活衛生や衛生指導や環境衛生などの課名で住民の衛生的な暮らしを守ることと「兼務で」動物のことをしています。
自治体の規模にもよりますが、動物愛護管理担当者はひとつの保健所に2〜3名というところが多いと思います。
兼務ですから、災害が起きたときはまず被災者の衛生管理面の仕事で手一杯になります。動物のことに取りかかりたくてもなかなかできません。
過去の大災害では保健所が動物のことに取りかかるまで約1ヶ月かかっています。
それまでの空白を埋めるのに動物愛護管理指導センターがあります(センターをもっていない自治体もある)。センターは被災ペットの保護収容に乗り出します。しかし、医療的な施設・設備・備品をもっているセンターはほとんどなく、被災地が復旧・復興していくうえではセンターは本来の業務に早く戻らなければなりません。
じゃ、誰が被災ペットのケアにあたるのか・・・獣医師会です。
行政から「獣医師会さん、頼むね」と急に言われて困らないために、日本獣医師会発行の「災害時動物救護の地域活動マニュアル策定のガイドライン」に災害時の対応策が盛り込まれています。

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