獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-199907-2

わんわんさんへ
投稿日 1999年6月1日(火)23時34分 久門

こんにちは!
カキコミを読みました。アドバイスをするにはまだまだ未熟者なのですが、コーギーと聞いて何か私でもお役に立てないかと思い、経験したことをカキコミします。
わが家のタイは女の子なんですが、彼女もかつては女の子とは思えないほどの狂暴ちゃんでした。
彼女をペット屋からわが家に連れ帰ったのは生後2ヵ月半のことです。本当はペット屋さんが繁殖用として置いておくつもりにしていた犬で、1匹だけ早くに母犬の元から離された子だったんです。そのせいか、はじめてタイを見たときはなんとも子犬らしからぬ冷めた目をしていたのが今でも思い出されます。ペットを飼う前に読んだ本には、子犬を選ぶなら元気に目をきらきらさせて動き回っている子を!って書いてたので、これは…と思ったのですがその場にいない父が電話でどうしてもコーギー!というもんだから少し不安を感じながらも連れ帰りました。
決めたのは父でしたが、育てるのは私なわけでそれはそれは毎日生傷の絶えない日々でしたよ!それでも本を読んでしつけをマニュアル通り実行していたのですが、わんわんさんところと同じ、すればするほど犬と私の間に確執は生まれるばかり。そして何日目かに抱きかかえた時にガブリッ!私の耳タブが裂けて、そこから血がドバーっと流れてきて、痛いのとびっくりしたのとで私は目の前が真っ白になりました。しばらく鏡を前にぼーっと傷口を押さえては見てを繰り返していたのですが、なんかだんだん悲しくなってきたんです。このままではせっかくの縁でわが家にやってきたこの子を飼えなくなってしまう、飼う自信がなくなってしまう、と。でもその次の瞬間に、だけどもうこの子はわが家の一員として迎かえ入れたんだぞ!!て目が覚めたというか。手に負えなくても飼い主となった以上はそんなことで根をあげることはできないんですよね。人間の子供がどんなに手に負えなくったって、だからや〜めた、と母親は言えないのと同じ。
それまで頭ごなしに人に聞いたしつけ方や、本で読んだしかり方をタイに押し付けていたのですが、犬だって性格やそれまでの環境でそうそうマニュアル通りに動くわけありません。実際よくよくタイを観察すると怒られているときにとても困ったような、不可思議に思っているような表情をしていました。それは私自信がなぜこの子にしからなくてはいけないのかを正しく、真剣に認識していなかったからではないかと思います。ただかまれて痛いから怒っていただけなんです。彼らが噛むのには遊んで欲しいときや怒っているとき、何か訴えているときと色々理由があることをいちいち考えてなっかたんです。そう思ってからは、遊びたいときに噛んでき様に感じれば、すぐにヌイグルミやボールを持って反撃しました。案の定、タイの興味は手からそれに変わりました。怒っている時はなぜかを考えて、ただのわがままなら完全無視。噛まれても“痛い"とか言わず手を振り払って目も合わせない。何処かが痛かったり、お腹がすいていたりするときもあるので、区別するのはとってもむずかしい。
これは今だに課題です。
そんなこんなで私もタイも今では「こいつはけっこう好きヤツ」という感情が確かに確認し合えるまでになりました。(私はめちゃめちゃ好き!なんですけど。笑)そう考えると最初はお互いとっても嫌いだったんだと思います。私は好きだったけど、あんまりにも噛むし、わけわからない生き物だしでだんだん憂鬱な存在になっていきました。
コーギーに限らずだと思いますが、わんこたちはとても敏感なんだと思います。環境の変化や近くにいる人間の心境なんかがとても敏感に感じ取れてしまうのではないでしょうか?うちのタイも早くから母犬と離され、独りぼっちが長かったのでちょっと根暗ちゃんです。すぐすねるし、やきもち焼です。もしかしたらわんわんさんのわんこも長い間寂しい思いを耐えてきて、急に環境が変わったことで混乱しているのではないでしょうか。
タイの出産にあたりこちらで皆様に色々なアドバイスをしていただいて、その中で子犬時代の兄弟同士の生活の大切さや環境がいかに犬の性格形成や行動に影響するかを知り、また身をもって現在体験しています。そして犬たちは人間の勝手で早くに独りぼっちにされ、母親に世話されてないからといって、自分の子供を世話をしないなんて事はないんです。甲斐甲斐しくおしりをなめたり、お乳をやったりおしっこをなめたり、吐き戻してエサを与えたり。犬ってすごいな〜と尊敬しますよ!
だらだらとまた長くなってしまった。ごめんなさい。
とにかくわんわんさんも今は大変でしょうけどわんこというのは苦労すればしただけのものを与えてくれるはず!根気よく頑張ってくださいネ。私はよく犬になってみようとタイの前でよつんばになってがんをとばしたりしました(今もたまにしていますが)。結構犬の表情というのは豊かで興味深いですヨ。アドバイスができるとしたら、「犬の気持ち」に興味をもって見てみたらいかがでしょうか。
わんこを終生幸せにしてあげられるパートナーを目指し、私も現在進行形で勉強中です。わんわんさんもがんばってね〜!!

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