獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200003-42

大きさ
投稿日 2000年3月31日(金)16時58分 はたの

May&Sundy様
なぜ大きくしたいのか、がよく分からないのですが。

個体の大きさの上限は、犬種・系統・個体ごとに、遺伝的に決まっています。
その限度内でどこまで伸びるかは、栄養その他の後天的な要因によります。
つまるところ、どんなに工夫しても、遺伝的な限界を超えるのは困難です。
栄養不足など後天的な要因で、上限の80パーセントにも達しない、のは問題ですが、
かぎりなく100パーセントに近づけようとするのも問題です。体に無理がかかります。
飼い主の意図は「ちょうど100パーセント」でも、実際の工夫の与える圧力は
「100パーセント以上」になってしまいます。「より早くより大きく」を過度に
目指す肉用家畜では健康上のトラブルが希ではありません。

まず、栄養不足等がないか、かかりつけの病院でみてもらい、
栄養不足がないなら、小柄なことはご愛犬の個性として受け入れられたらいかがでしょう。
イヌという動物種の基本テザインは15キロぐらい向きになっていますから、
大きな品種にはそれだけ無理がかかっています。心臓、骨格、アミノ酸の合成・・・。
ですから、大型犬種では、どちらかといえば小柄なほうがいいぐらいでしょう。
ショウに出す、盲導犬や介助犬にする、といった特殊な目的でないのなら、
小柄でもいいではありませんか。
コンパニオンとしては、大きさより、健康や性格が重要ですから。

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