獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200006-39

しつけ やや長文失敬
投稿日 2000年6月21日(水)15時43分 はたの

>「まだ子犬だから楽しく自由に」と「今のうちにできないと、もっと
>だめになるかも」の板挟みなのです。

「まだ子犬だから・・・」で良いと思いますよ。イヌは基本的に楽しくないことはやりません。マテは楽しくないけれど、やらなかったら怒られる、やれば褒められる、差し引きしたらやるほうが楽しいな、といったように私は捉えています。
フセはできるということですから服従性はあるようですから、単に、朝の忙しいときやら外やらの興奮しやすい環境下ではしゃいでいるとか、外でも少し自信がついてきたとか、ではないでしょうか。
根本の関係性は幼いうちに結ぶほうが強固になりますが、個々の訓練科目は後からでもできます。
4ケ月でマテができるほうがどちらかといえば不思議なぐらいです。外出時にちゃんとしていることはイヌにとっても外出機会を増やすので重要でない、とはいいませんけれど、飼い主とイヌの愛情なり信頼関係なりはもっと大切ですよね。お悩みの内容からしても、訓練・しつけの技術そのものはお持ちとお見受けします。焦ることはありませんよ。
イヌのしつけや訓練は「やらなければいけないもの」というより、ヒトにもイヌにも楽しいことで、またそうでなければうまくいかないでしょう。
テクニカルな工夫について悩むのは楽しいものですが、暗く悩んでもあまりいいことありませんよ。大型犬が噛む等ではないのですから。

 結果を求めずに働きかけだけ続けながら、しばし時を待たれてはいかがですか。
 訓練される側の準備ってあると思うのです。自転車の補助輪はずすとか、水泳の息継ぎと同じように。
 技術的には、できる課題を続けることがひとつ。命令違反で叱る必要が生じてしまわないように、できそうな時だけ。
 命令に対する義務感を期待するのは早すぎますから。叱るのは「わかっててあえて無視した」時であるべきですが、
まだ早い、と思います。
 ツケやマテと違う傾向の新しい課題もいいと思います。イケ、はいかがですか? 
ふたり一組で、コイ、とイケ、を教えます。途中から(少しずつ、ですよ)マテをまじえてもいいかもしれません。比較対照する別の命令、動作があるほうが、マテの意味を理解しやすいので。で、イケに従ったらちょっとしたご褒美、マテができたらもっとうれしいご褒美、等とします。
遠くにドライフードを置き、イケ。イヌがイケ下命を期待するようになったら手の中にドライよりおいしいものを隠し持っておいてマテ、首輪を保持して待たせてからご褒美、食べたらイケ、とか。
 ダンボールに穴を開け、何か軸を奥に固定します。紐をUの字に通し、途中に餌なりオモチャなり結び、片方の紐を引いたらそれが出てくる、反対を引けば引っ込むようにする、なんて工夫も考えられます。要は獲物が巣孔から充分に十は馴れるまで待たないと取れない、って状況を作ってしまうわけです。
楽しくマテを教える方法は工夫次第でいくらでもあるはずです。
 こうした繰り返しで「遊んで」いるうちに、時が至ると思います。逆に言うと、時が至る前の訓練は、本質的には効果はなく、その「時」を逃してしまわないためにある、ぐらいにお楽に考えて差し支えないと思います。
「マテ、マテっ!」と怒鳴ったり、動いたイヌを無理に元にもどすより、ひと手間かけても、イヌが待ちたくなるシチュエイションをつくるほうがはるかに効果的だと思います。
 それと、まさかとは思いますが、「立ったままマテ」を要求されてはいませんよね。これは難しいので2年後ぐらいにとっておきましょう。「マテ」一語に「座って待つ」または「伏せて待つ」または「伏せるか座るかして待つ」の意味を含ませてしまって構わないでしょう。
 

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