獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200010-5

わにの来た日 その3
投稿日 2000年10月2日(月)00時31分 やぎねこ

ロデムさま
おっしゃるとおり、『ちゃぼ』はニワトリの『ちゃぼ』です。
いくらうちが田舎とは云っても、住宅団地の中で時を作られるのはまずいと、一言の元に
却下されました。
「可愛いのに……」と、父は未練たっぷりでしたが。

さて、わにがやって来た夜です。

取り敢えず、寝る場所は作りましたが、さて、カゴをどこへ置くかで、また一騒ぎ。
犬は外に置くものだと云う父の意見が通りましたが、犬小屋どころか首輪もない(笑)のに、
外には置けないと、取り敢えず、今夜一晩だけは玄関に置くことになりました。

おうちが決まったら、次は食事です。
聞けば柴で、3ヶ月の子犬だとのこと。
「3ヶ月ぅ?!」
びっくりしたのも道理、どう見ても目の前にいるのは、ふつうの柴犬をそのまんま
小さくしたような体型で、とてもテレビや写真でじゃれあっているのを見るような、
ころっころの『子犬♪(はあと)』ではないのです。
おまけに口のまわりは真っ黒で、まるで鬼瓦権造さんのようです。
また、先回のカキコミで、「茶色い犬」の次に「(?)」がついていたこと、
お気づきでしたでしょうか?(そんな細かいところまでは、読んでない?。)。
そうなんです、この黒い口の廻りのせいで、犬と云われれば犬なんですが、
子狸と云われれば狸みたいだし、子狐と云われれば狐にも見えたんですね。
「柴?、子犬?、これが?」←ものすごく不審そうな母と私たち
「3ヶ月だよ、6月生まれだから」
うーん、それにしてもねえ……(おやぢ顔の子犬とわ……>笑)。

閑話休題、ごはんのお話。
譲って下さった方から、乳離れしているので、成犬と同じ物を食べさせてもいいと
云われてきたそうですが、ドッグフードもなかったので、まあ、犬なんだから牛乳を
やればいいだろうと云うことになって、お皿に入れて目の前に置きました。
……飲みません。
あれ?、犬はミルクを飲むものだと思ったけど?(はい、人間用の牛乳はいけないと
云うことを知らず、しばらく与えていました。でも、そのうち、飲まなくなりました。
もしかして、自分で体調を崩す因果関係に気付いたのかしら?)。
冷たいのがいやなのかと、レンジで温めましたが、やはり飲みません。
「みんなが見ているから、恥ずかしくて飲めないんだよ」
父がもっともらしいことを云いますが、そう云う風でもないのです。
はたと思いついて、指につけて口に持っていってやったら、漸く舐めました。
繰り返すと、よほど空腹だったのか必死で舐めてきます。
乳離れしていると云われても、やっぱり、赤ちゃんだったのでした。

「これが、ペットショップでお父さんにしっぽを振ってた犬?」
牛乳を舐めさせながら尋くと、違うと云う返事。
「あれはもう売れたらしくて、すぐにいなくなったよ」
「ぢゃあ、これはどうしたの?」
「知り合いからもらった」
「もらったの?、ただで?」
「いや、手みやげに一升瓶2本、置いてきた」
「………………(無心に指を舐める犬が、ちょと気の毒になる)」

それ以来、彼は『一升瓶2本でもらわれてきた犬』と云われ続けたのでした
(↑後になって、ちゃんとお礼をしたのだとわかりましたが>笑)。

真夜中、くんくんと鳴く声に玄関に出てみると、初めて親や兄弟と別れた子犬は、
声で、目で、全身で、「寂しいよお」と訴えていました。
可哀相で抱こうとしたら、やはり起きてきた親に「鳴くだけ鳴けば、寝る」と云われ、
渋々、部屋に戻りましたが、一向に鳴きやみません。
ただ聞いていることに耐えきれず、また玄関に出ようとしたら、静かになりました。
あれ?、と、確認に行ったら、母が抱っこして寝かせていました。
……お母さん、ずるい。

その日から、甘えん坊の柴は我が家の末っ子になりました。
それからも、「大雪脱走事件」や「農薬拾い食い事件」など、いろんな珍事(?)を
やらかしてくれましたが、どれひとつを取っても、忘れられない、大切な思い出です。

おしまい(長々と失礼いたしました)。

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