獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200104-56

ぽちさんへ
投稿日 2001年4月24日(火)04時41分 パールちゃん

イヌBBSお世話係のパールです。
狂犬病注射のシーズンになり獣医さんが多忙な時期になってしまいました。
意見交換掲示板のほうの投稿も獣医さんはきっと読んでいますので、
臨床的なレスはもうしばらく待ってみてくださいね。

さて、犬8匹飼いのパールとしましては、
良性で急を要さない肛門周囲腺腫ならば、15歳という年齢から考えて、
腫瘍摘出手術や再発防止のための去勢手術は負担が大きすぎると思います。
玄関に入れてやったらおとなしくなったということは、
自分の衰えを感じて不安になっているのだと思います。
そういう状態の犬に、検査・入院・手術、そして何よりも術後の生活について、
すべてを心身ともにストレスなく乗り切れるかというと、とてもむずかしいと思います。
極力ストレスがないようにと配慮したとしても、老犬にとってはきついのではないでしょうか。

今は排便には不自由はしていませんか?
この先、腫瘍の肥大などで排便が苦痛になってくる可能性がいちばん心配ですが、
それについては実際に犬を診ているかかりつけの獣医さんが見通しを語ってくれると思います。

再発防止のための去勢については、単刀直入な言い方ですみませんが、
「今さら」という気がします。
再発の可能性について専門的なことはわかりませんが、
去勢して再発を防ぐことと、去勢せず再発するかもしれないことと、
進行もせず再発もせずあと何年生きるのかをハカリにかけることになりますので、
とてもむずかしい選択になると思います。
私としては不安や苦痛や我慢のない日々を過ごさせてあげることを優先しますので、
排便への影響がいちばん気にかかります。

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