獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200107-22

reツケとアイコンタクト
投稿日 2001年7月9日(月)02時55分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

7ケ月齢の雄のラブラドールだったら、ツケができないのは不思議ではない気がします。
教え方の個々のテクニック以外にも、基礎的なヒトとイヌとの関係性、また、絶対年齢も訓練の成果があがるかどうかに効きます。ヒトの子供が菱形を書けるようになるのは4才になってからで、また4才になればだいたい書けるようになります。が、英才教育をしても3才だし四角は書けても菱形は書けないのが普通なのです。
7ケ月ならまだいろんなことが遊び半分でも仕方がないように思います。きちんとしたツケは、そろそろ、ごく短時間、できるようになるかなあ・・・ぐらいでしょう。ですから、ご質問の、どのぐらいの期間で覚えるか・・・には、うまい答えはなかなかないものと思います。イヌの側がそれを受け入れる準備が出来ていれば30分で覚えることもあります。けれど、準備ができないうちだと、いくら時間をかけて教えようとしても空回りしたりもするでしょう。スワレ、フセ、コイ、といった一挙動ですむ行動と異なり、「ずっとついて歩く」ツケは長く緊張を保たなければできませんから、若いイヌにとっては相当に難しいものなのです。

アイコンタクトも、あまり改まって考えられないほうがいいのではないでしょうか。慣れた室内で、落ち着いた気分の時に名前を呼んだらイヌが振返ってヒトと目が合う、これもりっぱなアイコンタクトです。
外にはいろいろな刺激がありますから、より強い刺激であるエサでつる必要が出て来るのもやはり自然なことです。そこでしゃかりきになっても、呼びかけを無視する良くない習慣がかたまっていくばかり。「スモールステップ法」を心掛けられてはいかがでしょうか。難しいことをやらせて出来ない経験は積ませないようにし、簡単なことだけどできた経験を多くしましょう。

幼いうちからコミュケイションを密にするのは大切ですが、急いでもあまりいいことはありません。イヌの準備が出来た時にすぐに先に進めるようにするためにこそ、小さいうちからのしつけがあるだと考えます。イヌの準備ができるまでは、ヒトはいつでも対応できるようにしつつ、焦らずにおおらかに待つほうがいい、と思います。




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