獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200205-26

プーさんへ
投稿日 2002年5月8日(水)06時55分 パールちゃん

プーくんが過ごした期間を人間に当てはめてみると、
ちょうど小学6年生くらいまでずっとショップにいたといえます。
その間プーくんは、家庭の愛情も知らなかったし、
夜は誰もいなくなってしまうところで眠っていただろうし、
のびのびお散歩したりなんていう機会もなかったと思います。
だから、いろんなことがわからなくて当たり前。
な〜んにも焦ることはないですよ。
プーくんに教え、プーくんから教えられ、
犬も飼い主も両方が気長にいろんなことを覚えていけばいいんですもん。

うちには5歳のときにきたダイというオスがいます。今、9歳です。
ダイはうちにくるまでは虐待に近い飼い方をされていた犬でした。
餌は何日かに一度だけ人間の残飯を投げ与えられていました。
散歩なんか行ったことがありませんでした。
ダイの世界は2メートル弱の鎖が届く範囲だけで、夏はカンカン照り、冬は北風ピューピュー、
何日分ものウンやシーがドロドロになっているすごい状況でした。
初めて会ったとき、私に向かってウゥ〜とうなりました。
人間不信だったのでしょう。
でも根気よく会いにいっているうちにダイも心を開いてくれました。
ダイを我が家に引き取ることになったとき、私はしつけをどうしようかと思いました。
でも、ダイには特に何も教えませんでした。
ダイが幸せで健康なら、あとは最低限のことだけ覚えてくれればいいと思ったからです。
最低限のことというのは、ダイ自身が危険な目に合ったり、
再び不幸になったりしないためのルールです。
お散歩中に車が近づいてきたら、足を止めて道の端へ寄って車に意識を集中すること。
落ちているものはぜったい食べないこと。
この2つさえできればいいと私は思いました。
我が家にきて4年。
散歩のときのダイはぐいぐいリードを引っ張るし、オス犬に会うとギャンギャン鳴きます。
庭は穴だらけにするし、たまに部屋の中にマーキングします。
でも、いいんです。
本能からくる興奮をたまに発揮するのも、5歳まで味わえなかったダイの幸せの一部ですから。

信頼と愛情をお互いに感じていれば、手に負えない凶暴犬にはぜったいになりません。
キミはとっても大切な存在なの。だから○○を覚えてね、守ってね。
それが、しつけだと思うんです。

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