なかなか興味深いですね。

　「留守中個別」ってのがひとつミソかもしれません。ご在宅時やスキンシップがやや「特別に良い時」になっているっぽく。留守中のケンカは犬種に偏りがあるようで、ご愛犬たちが攻撃性の低いタイプなら、逆に、ご在宅時の緊張を高めている可能性もあるかもしれません。
　で、下位のほうだとすると、沽券ではなく警戒心でしょうね。無防備になってはいかん、というのと、無防備＝傍若無犬でえらそぶってると取られやしないか、と。このあたり、イヌではないものの、「猿学漫才」水原洋城、カッパサイエンス、が参考になりそうです。

　順位がハッキリしないのはよくあることで、かまわないと考えてます。逆に順位が明確なのはかなり群れのムードがキビシイってことなので。ドイツ系の学者は順位がハッキリしているのが好きなようですけど。
　
　Michelleさんの位置と、「イヌの中のトップ」との距離も微妙に影響していないでしょうか。
　ナンバーワンがMichelle さんで、（あるいはヒトのご家族含めて）順番にナンバー２ ３・・・と並んでいる場合と、
　ナンバーワンの下がしばらく空いて、下のほうにナンバー６ ７、８・・・みたいな場合とで、
　ナンバーワンが干渉し得る範囲が異なると考えています。
　イヌ同士が時順位争いをしない程度にイヌ同士の順位はハッキリしているかあるいは順位を気にしないイヌばかりかで、そこからぐんと飛び離れた上位に、「怒ったら死ぬほど怖いが普段は優しい」ヒトが占位していることで、ヒトが「イヌの中の上位」に干渉しやすく（ケンカを止めるのもよりラクで）、下位へのやつあたりも少なくてすむような。
　
　よくものの本に、「全てにおいて先住犬（上位）を優先」とありますがあれはちと大ざっぱで、上位下位の好みが異なる場合は対象物によって下位を優先してもＯＫだと考えています。
　ある瞬間における順位は　
（表に出ない）基礎順位×好み（食い意地が貼っているか否か）×その時の要求度（空腹か否か、また全般的な気分）
　によると思われるので、上位個体が好まないが下位個体が好むものがあれば、そこにおいては下位をヒイキしても良い、と。
　えらそぶっているのも上位個体の攻撃を導きますが、極度におどおどしていてもやっぱり攻撃されやすくなるので、おどおどを減らすためにうまい下位ヒイキは使えるでしょう。
　拙宅では、最下位がベッドの枕元で寝ます。拾った時におどおどしすぎているのを修正するためにヒトの顔の近くへ持って来て先住トップの圧から守ったのが始まりです。先住トップが何度か妬きましたが、その時は最下位を私が追い出して先住トップを呼びました。が、暑苦しい（先住トップはハスキー系）なのと寝返りがうちづらいので「枕元は寝心地良くない」と再確認してからは妬かなくなりました。
　そのかわり、先住トップは食い意地が張っているので、オヤツの最初の一切れと最後の一切れはその個体に、しかも他個体が食べ終わるタイミングまで待ってから最後の一切れ、というようにしてガス抜きしています。
　
　ついでに。
　立ち耳系と、垂れ耳系では身体言語が通じにくいのも面白いところです。ヒトには判るのにイヌ同士では当初は意志が通じなかったり。