獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200304-42

まさみさんへ
投稿日 2003年4月17日(木)02時05分 パールちゃん

「肺癌にかかった犬は苦しみながら逝ってしまうのでしょうか?」は答えようがないご質問です。
肺のどの部分がどれだけ癌に冒されているかによって出てくる症状は違うでしょう。
症状による苦痛については診てくれている獣医さんの予測に頼るしかないと思います。

以前うちの犬「きみどり」が突然ひどい血尿を出し、すぐに受診したところ膀胱ガンと診断されました。
膀胱ガンは初期症状が出ないのでその時点ではかなり進行していたようです。
投薬や手術で治すことはできない段階でした。
かかりつけの病院が過去に診た例では、この状態になった犬は早くて余命半年、長くて余命4年だと言われました。
幸い血尿を止める薬が効き、きみどりはそれまでとかわらず元気に暮らしました。
そして2年後、いつものようにぺろりと朝ゴハンを食べたあと、ケホケホと咳をしたので、
念のため病院に連れていこうと思いました。
いつもは自分からすすんで車に飛び乗るのにその日は車のドアを開けてもじっとしていました。
抱っこして乗せようとした瞬間、きみどりはゴロンと転がるように倒れ、そのまま息を引き取りました。
火葬したあと係の人から、「この子はだいぶ病気がひどかったようですね」と言われました。
火葬後の痕跡を見てわかるんだそうです。
その言葉を聞いて私は、きみどりは体は苦しかったんだなと思いました。
でも、そんなことを少しも感じさせず、健康そのものの様子できみどりは余命を生き抜きました。
自分の体が変だなということはきみどり自身わかっていたと思います。
でも犬は病気になってしまったことをくよくよしたりしません。
ありのままの事実を受け入れます。

苦痛を訴えるようになったときの問題や延命治療の問題など、
どうするかの決断は飼い主がしなければなりません。
こうしたほうがいい≠ニいう正解はないんですよね。
それぞれの飼い主がそれぞれの犬の心に寄り添うしかないのです。
病気の犬や老いた犬をもった飼い主にできるのは、
なにをしてほしいか、なにをしてほしくないか、犬の気持ちを理解することです。

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