獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200306-138

えむさんへ
投稿日 2003年6月26日(木)05時16分 パールちゃん

えむさん、しっかりしてください。
ガンであろうとなかろうと、余命を想像する必要などありません。
痛みや苦しみを想像する必要もありません。安楽死を想像する必要もありません。
自分の心の悲しみにとらわれるのではなく、目の前のわんちゃんを見てください。
犬は病気になったことをくよくよしたり文句を言ったりはしません。
犬はすべてをありのままに受け入れます。
犬が望むのは、これまでと同じ暮らしです。
家族が自分を見て笑ってくれる楽しい暮らしを犬は望んでいます。
暗い顔をしてため息をついたり泣いたりしているところなんか犬は見たくないのです。

病状把握や治療をどうするかについては「どこまでできるか・どこまでやるか」を
先生とよく相談してください。
大学病院などで診てもらうことも選択肢に入ってくるかもしれませんが、
わんちゃんの体調や性格をよく考慮してください。
知らないところにいっていろいろなことをされるのを気にしない性格なら、
高度医療の検査や治療に取り組むのもいいと思います。
でも、もし、それがストレスになる性格なら、やめておくほうがわんちゃんのためです。

えむさん、なんにも悲しむことはないですよ。
これからますますわんちゃんとの密度の濃い時間が待っているのだから。
自分たちの満足のためにこれからの日々を過ごすのではなく、
わんちゃんにとって何がいいのかを考えて日々を過ごしてください。
どんなことを喜ぶか、どんなことを嫌がるか、それを考えてあげるのが、
えむさんとご家族の心の持ちようになるはずです。

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