獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200307-92

レス2題
投稿日 2003年7月17日(木)16時19分 プロキオン

7月14日の ビビさんへ
母犬にも子犬にも便の中に寄生虫が見られるのですか? 母子感染してしまっ
ているのかな? それとも同時に水平感染してしまっているのかな?
いずれにせよ、寄生虫の正体を確認して駆虫した方が良いと思いますね。
動物病院の方へお出かけ下さい。


7月16日の アニマルfamilyさんへ

>その病院の診断では膝のサラが外れるために膝からしたの骨が曲がって変形
>している状態。といわれ手術をするなら大手術になると言われました。

膝から下の骨というと、脛骨が彎曲してしまっているということですか?
もし、そうような状態であれば、患者本人の年齢が重要なファクターになりま
すよ。
成長期の犬で脛骨が曲がりかけているというのであれば、これは早急に手術し
てあげる必要がありますが、すでに成長を終えて体形が完成されている犬であ
れば、私は手術の適応とは考えません。

なんとなれば、脛骨が彎曲するというのは、膝蓋骨が常に脱臼していて、短絡
化した靱帯が脛骨の骨膜を牽引しつづけて骨が彎曲することに起因しているか
らです。
膝蓋骨も靱帯も脛骨も、すでに今の状態が、もっと長さが短くてすむ状態とし
て固定化されてしまっています。これを元に戻すということは、靱帯には今以
上の負荷がかかることであり、手術の侵襲も加わることになります。そして、
一度曲がってしまった脛骨は、そのままでは自然に元に戻ることはありません。
すなわち、靱帯は曲がった状態でさらなる牽引をかけられ、元に戻す手術が新
たな不自然な形態を生じさせることになるからです。
これを是正するためには、脛骨の整形手術が必要になるかもしれません。

若い成長期の犬であれば、手術は急いだ方がよろしいかと思いますが、成長期
を過ぎて大分時間の経過した犬であれば、手術が最良の選択とは言えません。
年齢とレントゲンを勘案しなくてはなりませんが、手術しないことの方がベタ
ーな選択である場合もあるのです。
ただし、そのような場合であれば、膝蓋骨脱臼はそのまま放置されていること
になりますので、こちらの障害はそのまま残ることになります。膝蓋骨が脱臼
したままの状態が継続していたことが悔やまれることになります。
成長期の犬であれば、手術を急いだ方が良いというのは、そういう意味です。


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