獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200310-4

たちうおさんへ
投稿日 2003年10月2日(木)02時37分 パールちゃん

ネコBBSのほうで小梅ちゃんの診察結果を読みました。腫瘍でないことを心から祈ります。
でもね、犬と違って猫のしこりは「疑わしきはすぐ切る」のほうがいいと思うんです。
獣医さんがおっしゃったように猫のしこりは腫瘍である可能性が高く、かつ悪性である場合が多い。
これは統計としてはっきりしていることです。
ならば早めに切除し、ちゃんと組織検査し、その後の対策を立てたほうがいい。
転移や再発があるかもしれない。でも、そのときはそのとき。
やったほうがいいこと、やれること、それを早め早めにするのが猫のしこりです。
原因を推測しても正解は出ないし、時計は巻き戻せないから、
「なぜこうなった」ではなく「これからどうするか」を考えてください。

獣医さんから聞いていると思いますが、
犬の乳腺のしこりは、半分がただの乳腺肥大、半分が腫瘍、
腫瘍のうち、半分が良性腫瘍、半分が悪性腫瘍です。
ですから、もし犬のおっぱいにしこりが見つかっても悪性腫瘍である確率はそんなに高くないため、
しこりがまだ小さいうちはしこりのサイズが急に変化しないか様子を見ていてもいい時間的猶予があります。

で、桃ちゃんですが、積極的に病気予防を考えるならやはり避妊手術です。
母性本能の強い桃ちゃんですから、妊娠に至らない発情を繰り返すのはリスクが大きいです。
子孫を残したいという本能はすごいです。
発情しても交配や妊娠の機会がないと「足りないならもっと出そう」と生殖ホルモンが過剰に分泌されます。
そのせいで生殖器と生殖ホルモンの影響を受ける器官(乳腺もそうです)が働きすぎになり、
しこりを作ったり、異形細胞ができたり、異常細胞ができたりします。
未避妊のメスはそうなってしまう予備軍なんです。

おかあさんは桃ちゃんの手術自体が心配なのではなく、
今から手術してももう遅いんじゃないかと心配されているのですか?
そうだとしたら、遅いということはありません。
先延ばしにすればするほど病気になる率は高くなります。
するなら早く、若くて元気なうちに。

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