獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200312-177

狂暴なダックス
投稿日 2003年12月27日(土)00時10分 はたの

まず、イヌはもともと、よそのイヌとそう簡単には仲良くならないのが基本です。
 あちこちの公園で仲良くしているイヌたちのほうが、イヌ本来の習性から見たらヘンなのです。そうしたイヌたちは、そうなるように改良されてきました。
 英国貴族が連れ立って狩りにいく時、お互いのイヌがケンカしては困りますし、 何十頭もの猟犬を1つの大きな囲いで飼うときにケンカが耐えないようでは困りますから。
 ところがダックスフントは、「一銃一狗」つまりひとりのハンターと1匹の猟犬とたけで狩りをするために作られたイヌです。その役割は、アナグマの巣穴のなかに入っていって、真っ暗ななかで自分より大きいぐらいのアナグマとケンカをして、穴の外に追い出すことです。穴から出たところをハンターが銃で仕留めるわけです。
 ダックスというのはもともと、見掛けのかわいらしさとは裏腹に、勇敢で気が強い犬種なんです。

 ミニチュアダックスとして小型に改良されるのにともなって、性格も穏やかになるよう改良されました(ここでいう改良、というのはある方向へ変えて行くことで、絶対的に良い方向へ、というわけではありませんから誤解なきよう)。
 ですが、全部がそうなったわけではなく、中には勇敢で凛々しい、本来のダックスフントらしい個体も出るわけです。

 今後の対処によっては、穏やかになってくれることも在り得ます。
 が、かわらないかもしれません。変わらないとしても、ダメなイヌというわけではありませんから、誇りをもって可愛がってあげてください。

 さて、トレーニングするとしたら。
 3つの要素を分けて考える必要があります。

1 興奮
2 ネコへの襲撃
3 他のイヌへの攻撃

 1についてですが、興奮していない時にはゆきんこさんの言うことをちゃんと聞きますか? コイ、スワレ、フセ、マテ、アトヘツケなどの基本的なしつけはできていますか? もしまだなら、まずは静かな家のなかなどで、「ゆきんこさんが名前を呼んだらゆきんこさんの目を見る」というところから始めましょう。

 2。1の訓練が出来ていることが前提です。できていないと、叱っているつもりがケンカになってしまいますから。
 基礎が出来ているとして、あとは絶対にネコを襲わせないことが大切です。ネコを追いかけようとしても、リードをしっかりもって引き止めます。
 ネコを探してばかりいるのを止めるには、まず、散歩の基調を「アトヘツケ」にします。そして、ヒトが許す時だけあたりの臭いを嗅いだりさせ、ひとしきり終わったらまた「アトヘツケ」をかけます。
 「アトヘツケ」の最中にネコを探すようならば、小さく舌を鳴らすなどしてヒトに注意を引き戻します。エサを使っても構いません。
 舌打ちでダメ、を伝え、名前を呼んでこちらを見させる、みたら餌をひとカケラ、というように。
 腰や背中に過度の負担がかからないようにかかりつけの獣医師と相談の上、運動量も増やしてください。いつも疲れて気味ぐらいに。

 ネコと会うことがない室内などで、ネコ代わりの、「獲物オモチャ」での遊びも。いつもはしまっておいて、ヒトから与え、羽後市手やったり一人で管で振り回すのに任せたりして発散させ、終わったら取り上げて仕舞います。

 3は、いちばんいいのは、イヌに詳しい人が飼っている、社交的だけれど毅然としている大きなイヌと会わせて、マナーを教えてもらうことです。飛びかかったら逆に咬まれて少し痛い思いをする、というのが一番の薬になります。ヒトだけではなかなか教えられないのです。
 ただこれは、イヌのマナーを知らないために強く木咬もうとしたりしているのだろう、という推測に基づいています。

 もしも、自分の倍もあるようなイヌに本気でケンカを売りに行っている、あるいは、他のイヌを獲物と思って噛み殺す気で言っているというのならハナシは別です。
 「本咬み」ってどの程度でしたか? 相手のイヌの大きさは? 品種、性別、年齢は? 相手の反応は? 血は出ましたか? ゆきんこさんの手まで咬もうとしましたか? 咬んでから、「相手にのしかかり気味で、傷を広げようとするかのように、口はあまり動かさないまま頭を振った」ですか、それとも、「足をしっかり踏ん張って、相手を振り回そうとした」ですか? 強く唸っていましたか? それとも喉の奥でぐるぐるいうぐらいで静かでしたか?

 また、ゆきんこさんのイヌは何歳ですか? どこから、何週齢の時に手に入れましたか? 入手以前の状況(ショップ店頭など)が判っている場合、そこにいつから居ましたか? 他のイヌと同じブースにいましたか、1匹でいましたか?

 このあたりをお知らせくださると、もう少し具体的なプランを思いつけるかと。 

◆獣医師広報板サポーター◆
獣医師広報板は多くのサポーターによって支えられています。
以下のバナーはサポーターの皆さんのもので、口数に応じてランダムに表示されています。

サポーター:新日本カレンダー株式会社ペピイ事業部様のリンクバナー

サポーター:ペットコミュニケーションズ株式会社様のリンクバナー

サポーター:ペット用品通販Gズ\ィエ.COM有のリンクグオー

サポーター:日本ベェツ・グループ 三鷹獣医科グループ&新座獣医科グループ 小宮山典寛様のリンクバナー

あなたも獣医師広報板のサポーターになりませんか。
詳しくはサポーター募集をご覧ください。

◆獣医師広報板メニュー
獣医師広報板は、町の犬猫病院の獣医師(主宰者)が「獣医師に広報する」「獣医師が広報する」
ことを主たる目的として1997年に開設したウェブサイトです。(履歴)
サポーター広告主の方々から資金応援を受け(決算報告)、趣旨に賛同する人たちがボランティア
スタッフとなって運営に参加し(スタッフ名簿)、動物に関わる皆さんに利用され(ページビュー統計)
多くの人々に支えられています。

獣医師広報板へのリンクサポーター募集ボランティアスタッフ募集プライバシーポリシー

獣医師広報板の最新更新情報をTwitterでお知らせしております。

Copyright(C) 1997-2024 獣医師広報板(R) ALL Rights Reserved
許可なく転載を禁じます。
「獣医師広報板」は商標登録(4476083号)されています。