元気ママさんへ。
元気くん、9ヶ月齡になったのね♪

前足のそれは親指でーす。
ほら、人間の手の親指も他の4本の指とは離れた位置にあるでしょ? それと同じです。
イヌの前肢第一指(親指)は形状としては退化の途中だけれど、
物をがっしり押さえたり、物を引き寄せたりするときに役立っています。
ツルツルすべったり、ゴツゴツして安定の悪いおもちゃを手に入れたときなど、
犬はちゃんとこの親指も使って物を押さえ込みます。

通常、犬は前肢に指5本・後肢に指4本です。
もともとは後肢も指5本でしたが速く走るために親指は必要がなくなり退化したのです。
狼爪というのは、この後肢の親指が完全に消失せずに形を残しているものを指します。
肉球にあたる肉片があるもの・ないもの、爪があるもの・ないもの、
肉片のなかに骨があるもの・ないもの、形状はさまざまです。
爪が生えている場合は他の指と同じく爪の中まで血管が通っています。
血液が栄養を供給するので狼爪も普通に伸びますが、
地面に接していないので自然に削れることはありません。
なので狼爪はときどき爪切りをしてあげる必要があります。

狼爪は先祖返りなどともいわれますが、それは退化の途中にあるものが出現したという意味と、
イヌの祖先といわれているオオカミに後肢親指をもつものがいることを表しています。
けして奇形ではありません。遺伝のひとつとして親犬から受け継ぐ要素が強いですね。
うちの場合、父犬が片足に狼爪をもっていて母犬は狼爪なしなのですが、
生まれた仔犬の半分は狼爪持ちです。
弱虫なことがあると狼爪を指差して、
「ほら、ここ、あんたには狼の血が流れてるでしょ。しっかりしなさいっ」と、
意味不明な励まし方をしています(笑)
あ、狼爪は「ろうそう」と読みます。爪なしの場合は狼指、「ろうし」です。