獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200401-299

re息子と仔犬
投稿日 2004年1月29日(木)23時33分 はたの

獣医師ではありませんがご参考まで。

 率直に申し上げれば、「放っておけば?」です。
 いささか幼時教育に携わったことがありますが、親御さんが気になさることの過半はなにもしないのが最善の道だったりします。

 2歳と2ケ月では、常に抑制を意識させるのは困難で、無理をすれば抑圧になってかえって良くない結果となりそうです。
 早いうちから教えればいいというものではなく、なにかができるようになる絶対年齢というものもあるわけです。教わる側の準備が出来ていないのに教え込もうとしても困難です。

 ヒトの2歳児とトイプーの仔なら、トイプーが仮に本気で咬んでも大した怪我にはなりますまい(逆だとハイリスクですが)。多少血が出て鳴くぐらい。その痛みでご令息もなにかを学ばれるでしょう。母親が口で何百回言うよりも、考えさせる力のある経験となることでしょう。止めてしまうのは、貴重な実体験による学習の機会の剥奪となりがちです。
 イヌに怪我をさせない(体重を利用しない限り大丈夫でしょうが)範囲内でしたら、ご令息がイヌに咬み付きかえすとか、ひっぱたくとかもありでしょう。それでさらに咬みかえされるとしても。
 イヌ対ヒトと思わず、兄弟とお考えになればよろしいのです。親が干渉しようとも兄弟喧嘩は起きるもの。それを完全に予防しようとすれば、過干渉になりがちです。
 
 心之助さんが叱れば恐縮するのであれば、トイプーのほうに咬み癖がつく云々のご心配もいりません。兄弟喧嘩ですから。

 2歳と2ケ月というと、イヌのほうがお兄さんになりかけといったところです。が、体はご令息のほうが大きく力も強く、悔しいのでしょう。
 それを止める手だてはありません。特別なアニマルセンスの持ち主は別として、普通、イヌから見て子供が上位者にふさわしい威厳を身につけるのは10歳過ぎです。そのころにはトイプーのほうも丸くなりましょう。
 それまではトイプーをお兄ちゃんとして扱うほうがお勧めです。
 「やめてー」でいいんです。悲鳴でいいんです。先に大人になるイヌのほうが、名にも教えなくても自然に、中からわき上がってくる気持ちとして抑制するようになります。
 ご子つさんにイヌに命令させようとしないほうがいいのです。イヌからみてご令息には命令する資格はないんですから、それを誘導したらイヌはますます苛立ちます。
 走るなったって、兄弟といる時にいつもセルフコントロールしておれって、2歳児にはむろん、低学年になったって無理ですよ。
 親御さんとしては、止めたり干渉したりせず、ああまたやってるなあとニコニコと見守られればよろしいかと存じます。
 

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