ふたりのままりんさんへ。

イヌは群れ動物ですから群れの安定と調和を図るために順位を大切にします。
強気な弟と弱気な兄、そういう図式がいったんできあがったのだと思います。
でも、この図式は不変的なものではありません。
下位が逆転を仕掛けて上位が転落することもあります。
いつか血を流す激しい喧嘩をすることがあるかもしれません。
それが殺し合いに発展することもあります。
犬同士が自分たちで決めた関係を尊重しつつ、人はよくよく気をつけて見守る必要があります。

しっぽを丸めて元気がないというのは下位の者としての正しい姿ではありません。
下位になったことに納得していない姿です。
下位になったことを納得しているなら、愛想笑いを浮かべて近づいたり、
媚びを売る仕草をしたりするはずです。
兄はビビっている、弟といるのをいやがっている、表面的にはそう見えるでしょうが、
ビビっているふりをしながら弟に対して憎しみを募らせている可能性があります。
大喧嘩が勃発しないよう充分に注意してくださいね。
小競り合いはどんどんさせていいんですよ。
ただし、「そこまでにしておきなさい」というラインはきっぱりと示してあげてください。
ウーウー言い合うのはいいけれど噛みつきあうのは私が許さないよというラインです。

ぜったい牙を使わせずに犬同士に順位の折り合いをつけさせるのが多頭飼いの課題です。