獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200407-92

Re:涙
投稿日 2004年7月28日(水)01時32分 投稿者 パールちゃん

さくらママさんへ。

『流涙症』を想定していらっしゃると思います。
涙は本来、涙管から少しずつ排出され、眼球を適度に潤したり眼球の汚れを流し去る役割をしています。そして、余分な涙は鼻の奥のほうに流れるようになっています。
ところが、生まれつき涙管がなかったり、細かったり、詰まっていたりすると涙が涙管から正しく排出されずに眼球の表面にあふれてこぼれるほどの量になります。それを流涙症といいます。
流涙症は症状を表す呼び名ですので、眼球や眼球回りの炎症、逆さまつげ、怪我による後遺症なども含めた広い意味で常に涙があふれてこぼれる状態≠流涙症といいます。

獣医さんの診察によると炎症や逆さまつげに起因するものではなさそうですね。
ということは先天的なものと考えるほうがいいと思います。
トイプードル、シーズ―、ポメラニアン、マルチーズなどの小型愛玩犬種にはとてもよく見られるものです。
目頭の下が赤茶色になるのは俗に涙焼け≠ニいわれる状態です。
これは、涙の成分が毛につくことによって空気と反応して変色するものです。
涙の水分が乾くと涙に含まれる脂肪などのトロリとした成分だけが毛の表面に残って多少ネバネバした目ヤニ状態になり、赤茶色になります。

根本的に治そうとするならば、全身麻酔による涙管の精密検査や涙管形成の手術ということになります。
が、生活に支障がないならば、これがこの子の体質なんだと割り切って過ごされればいいのではないでしょうか。
生活の支障とは、犬自身が目を気にしていつも前足でこすったり、物にすりつけたり、シバシバとまばたきばかりしたりという状態です。
抗生物質の目薬は涙管異常を治す効果はありませんが、涙過多によって目の炎症を併発するのを防いでくれます。
効果を感じないかもしれませんが獣医さんは現時点でできる正しい処方をしてくれたと私は思いますよ。

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