獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200501-70

Re:自由に食べて良い時とダメな時
投稿日 2005年1月22日(土)01時43分 投稿者 パールちゃん

横レスですみません。

Tママさん、拾い食いを避けるというのが目的なら、
何かを食べているときに「ちょうだい」して出させる練習は逆効果だと思います。
『ちょうだい』ができる犬は喜んでそれをするのではなく、
飼い主がそう言うから仕方なくそうするだけ。つまり渋々です。
「できれば渡したくない、でもこの人が言うことには従わなきゃ」

特別に食い意地がはっている子でなくても、一度口にした食べ物への執着心は人の想像を越えるものがあります。食べ物のことでいやな思い・悲しい思いをしたことのある犬は食べる行為にとても神経質になります。また取り上げられてしまうんじゃないかという記憶はなかなか消えません。
Tママさんのわんちゃんの胸中には「また取り上げられてしまうんじゃないか」の不安がすでにありますよね。
その不安が事故につながってしまいます。

犬は賢いですから、食べ物を使っての『ちょうだい』の練習がうまくいけばいくほど、
『ちょうだい』と言われる前に飲み込んでしまえばいいんだという知恵がつきます。
これはゴハンのガツガツ食いや大きなおやつの丸飲みにつながります。
そして、散歩のときに見つけた魅力的な匂いのする物を、飼い主から『ちょうだい』の声がかかる前に速攻で飲み込もうとするようになってしまいます。

外で変なものを拾い食いしないようにということが目的なら、< 口に入れたものを出す練習 >ではなく、< 口に入れない練習 >をしたほうがよくはないでしょうか。
その方法としては、食べ物をもらう際は、1.必ずおすわりをしてからとか、2.「よし」の声がかかってからとか、3.決められた食器に入っているものだけとか、【食べていいよ】の合図を学ばせるやり方が考えられます。
これは食べてもいいものですと差し出されたものだけを口にするということです。
ただし、老いたり病気になったりでおすわりができなくなることもある、入院時や非常時に「よし」の声がけやなじみの食器がないと食べることを躊躇するなど1〜3にはデメリットもあります。

飼い主がどんなに気をつけていても外で変なものを口にしてしまう恐れはゼロにはならないので、
より安全なのは「出せ」より「入れるな」だと思うのですよ。
「出せ」が犬にとってストレスであるかぎり、「出せ」=「速攻で丸飲み」が私は心配です。

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