獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200505-119

まろりんさんへ
投稿日 2005年5月30日(月)04時50分 投稿者 パールちゃん

叱るご主人、「ダメ!」と言うまろりんさん、泣くお子さん・・じゃれて噛む仔犬に対する態度としていちばん正しいのはお子さんです。そんなことしちゃいやだよ、そんなことしちゃ痛いよ、そんなことしちゃ嫌いになっちゃうよ、それをいちばん自然に素直に示しているのがお子さんだからです。
3ヶ月の仔犬が人にじゃれついてきて噛むのは、それが仔犬の言葉だからです。「ねぇねぇ」と人に話しかけているのです。「ねぇ、かまってよ」「ねぇ、遊ぼうよ」「ねぇ、おなかすいたよ」など。人への親愛を表す「ねぇねぇ」を仔犬は歯を使ってしゃべっているのです。それを叱ったり「ダメ!」と言ってしまうのは仔犬が人に向ける親愛を拒絶することになります。ぜったいに叱ってはいけません。「ダメ!」と言ってはいけません。噛むことでなにかを伝えようとしている仔犬の言葉を理解してあげてください。「なーに? なにがしたいの? なにを言ってるの?」と。
最初は何を言っているのかなかなかわかりにくいかもしれません。でも、二人のお子さんを育てていらっしゃるのですから子育ての経験を応用すればOKです。お子さんが赤ちゃんでまだ言葉をしゃべらなかったとき、泣けば「あ、おむつが汚れてるのかな? それともミルクかな?」、そう思ったはずです。それといっしょです。赤ちゃんは泣いて意思を伝えようとする、仔犬はじゃれて歯を使って意思を伝えようとする、同じことなんです。
でも痛いのは困る、そう思われるかもしれませんね。子どもたちが怖がったり犬嫌いになったりしたら困る、そうも思うでしょう。じゃれて人に歯を当てるのはせいぜい生後4ヶ月まで、遅くても生後5ヶ月までです。そのくらいになるまでの間、仔犬が人を噛むことはのちのちのためにとても大切なことなんです。痛い思いはしますが避けては通れない、いえ、避けて通ってはいけないことなんです。今、仔犬は、どのくらい噛んだら人が痛がるかいやがるか日々勉強しています。この勉強の日々があれば将来けしてむやみに人を噛むことのない犬になります。噛むのは喜ばれないんだな、噛むと泣かれちゃうんだな、噛むと嫌われちゃうんだな、今、毎日、仔犬は勉強中です。
だから、勉強の機会を奪わないでください。叱ったり「ダメ!」と言って噛むのをやめさせるのではなく、噛まれて痛かったら「痛いっ!」と言えばいいだけです。お子さんたちはそれを自然にやっていると思います。「痛いっ!」「やだっ!」「やめてっ!」と。それがいちばんです。

『しつけ』を堅苦しく考える必要はまったくありません。たくさん話しかけるだけで犬はどんなことも覚えます。話せばわかる相手なんです。

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