獣医師広報板ニュース

イヌ掲示板過去発言No.1100-200506-73

Re:子犬に手作り食
投稿日 2005年6月16日(木)06時31分 投稿者 パールちゃん

えむさんへ。
結論からいうと、なんでも食べる犬にしておくのがわんこのためです。
病気をして処方食を食べなきゃいけないこともあるだろうし、
入院したり、人に預けなきゃならなかったり、災害に遭ったりで、
食習慣を変えざるをえないことが起こる可能性があります。
そういうとき、飼い主の手作り食だけに慣れてしまっている子は苦労します。
手作り食を作れないときもきっとあります。体調を崩したり、冠婚葬祭などでお泊りしたり。
いろんな場面を想定すると、市販ドッグフードもごはん(お米)もパンも、
なんでも喜んで食べる犬にしておくのがわんこのためです。
だから、完全手作り食にはこだわらないほうがいいと思います。
どこでも買えて、保存がきき、誰があげても「いつものゴハン」になり、栄養面でもイヌに必要なものを満たす市販フードを基本にするのを私はおすすめします。

よい市販フードには「これだけあげていればOK」という必要栄養素が含まれています。
それに比べ手作り食は常に「これでいいのかしら?」と栄養面で悩みがつきまといます。
間違いや勘違いで手作りを続けてしまうと偏った栄養(足りなかったりあげすぎたり不必要だったり)のよくない結果をもたらしてしまいます。
手作り食は愛情に満ちている感じがしますが、栄養面では落とし穴があるのですよ。
それを補うためにペット用サプリメントはあります。
しかしそれも、必要なのか不要なのか、あげる量が適切なのか、はっきりとしたことはわからないままあげることになります。
サプリメントはあくまでも「補助」です。基本の「食」がちゃんとしていれば本来は不要なものです。
サプリメントに頼らず、基本の「食」でその子の体質に合ったものをあげることが健康のためにはいちばんではないでしょうか。

極論を言ってしまうと、手作り食は飼い主の自己満足にすぎず、サプリメントは気休めにすぎず、
「大切にしているんだ」という飼い主のひとつの表現でしかないと思います。
私自身がそうです。
袋から出してザラザラ〜ッと器に入れるだけのドッグフードだけだとなんか抵抗がある。
毎日同じでつまらなさそう、パサパサでボソボソで味気なさそう、これだけじゃかわいそう・・
そう感じてしまいます。
だから、茹でた鶏肉とそのスープと白いごはんをドッグフードに混ぜています。
毎日そうすることで「してあげてる」って気持ちになれるのです。自己満足だと思います。
鶏肉やスープや白いごはんを加えることでタンパク質や脂肪や炭水化物過多になっているかもしれません。
「このくらいちょっとならいいよね」となんの根拠もなく量を決めて混ぜ混ぜしてます。
お肉とスープと白いごはんの入った食餌に慣れているうちの子たちはドッグフードだけだと食が進まなくなってしまいました。
それだと困るので、おなかのすいている時間帯にドッグフードだけあげて、
いやがらないで食べる習慣を作り直しました。
災害時のことを考え、非常食として予備のドッグフード3週間分を買い置きしているほか、
人と食べ物を分け合えるよう、白いごはんだけ、何もつけていないパンだけ、お茶、
そういうものも食べたり飲んだりできるよう練習しています。

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