まさひろさんへ。
そうすぐにはトイレは覚えられません。オシッコ躾液を使ったり、オシッコの匂いのついたタオルをトイレに置いたりしても、だからすぐ覚えるというものではありません。犬はそんなに単純ではありませんから。
信頼できる人が「そう、それでいいんだよ」と誉めてくれる、犬がなにかを覚えるにはこれに尽きます。まず信頼ありきです。まだ数日しか経っていないのですから飼い主を信頼しろというのも無理な話。おいしいものをあげて、たくさん遊んであげて、犬が人に心を開いてからやっとトイレの練習に取りかかるくらいでちょうどいいんです。それまではどこにしちゃってもいいと思うくらいのゆとりをもってください。雑巾をもって黙ってサッと拭くだけにして、けして叱らないでくださいね。叱ると犬は混乱して排泄自体をいけないことと思い、我慢したり、ところかまわずするようになったりしてしまいます。
犬が自分で寝る場所とトイレを区別して使用するのは一定以上の広さがあるときです。それには少なくとも3畳くらいのスペースが必要ですから、限られた面積のケージ内では寝場所と排泄場所の使い分けを自然にすることはありません。トイレシートを置いているんだからそこでするだろうと思うのは人間の勝手な思い込みでしかないんですよ。
犬は掘れる場所で排泄をするのが好きです。掘れる場所、つまりクシャクシャにできるものがあればそこですることを好みます。クッションやタオルがあればそこでしたくなります。たとえそれが寝床用として人間が置いたものであっても。この習性を利用して、トイレに使ってほしい場所にはシートや布や新聞紙をクシャクシャにして置いておく、寝床に使ってほしい場所には何も置かない、そうすれば「こっちがトイレ」と犬は覚えやすくなります。冬以外、寝床には何も敷かなくて大丈夫です。敷物がないと寝るのに体が痛いかな?とは思わなくてもいいですよ。